米フォード・モーターのCEO、ジム・ファーリー氏は、新車の平均価格が5万ドルを超える現状を踏まえ、4万ドル以下の新モデルを積極的に投入すると表明した。同社は、新型電気自動車(EV)ピックアップや小型クロスオーバー、さらには2029年以降に発売予定の新型ピックアップやバンなど、複数の車種で価格帯の拡大を図る方針だ。

新車価格の高騰とフォードの対応

米国の新車平均価格は、2023年以降、5万ドル近くで推移しており、2019年と比較して約30%上昇している(KBB調べ)。コロナ禍以降のサプライチェーンの混乱や需要の高まりにより、車両の価格は大幅に上昇。多くの消費者にとって、新車の購入が困難な状況が続いている。

ファーリー氏はCBS Newsのインタビューで、「一部の米国人はまだ新車を購入できるが、多くの人がそうではない」と述べ、価格の手頃化が急務であると強調した。同氏は「ブランドと業界全体で、車両をより手頃な価格にする必要がある」と語り、フォードが今後数年間で新モデルの多くを低価格化する計画を明らかにした。

4万ドル以下の新モデル戦略

ファーリー氏は「4万ドル前後の価格帯、あるいはそれ以下の価格帯で、より多くの選択肢を提供する」と説明。その実現には、米国での生産と世界中からの安価な部品調達が不可欠だとした。

具体的なモデルについてはまだ明らかにされていないが、新型EVピックアップのベースとなる「ユニバーサルEVプラットフォーム」を活用した小型クロスオーバーの投入が予定されている。また、フォードは2029年以降に発売される新型ガソリンピックアップや、ハイブリッド・ガソリンの両方に対応した新型バンの開発も進めている。

コスト削減の取り組み

ファーリー氏の発言で注目されるのは、「多くの新モデルが、より手頃なバージョンになる」という点だ。これは、新規開発ではなく、既存モデルのグレードダウンや機能削減によって実現する可能性が高い。同社はこの戦略を公式に発表していないが、新規の金型投資を待たずに平均取引価格を下げる最も迅速かつコスト効率の良い方法とみられる。

既存施策との連携

ファーリー氏は、従業員向け特別価格プロモーション(7月4日まで実施)や、月額399ドルから499ドルのリースプラン、すでに発売されているF-150やエクスプローラーの廉価グレードなど、現在進行中の価格戦略も紹介した。

フォードは、新型EVピックアップの価格を約3万ドル前後に設定する計画で、これによりEV普及のハードルを下げる狙いもある。同社は、手頃な価格帯の車両を通じて、幅広い顧客層へのアプローチを強化していく方針だ。

出典: CarScoops