大恐慌の「救世主」とされたニューディール政策
アメリカの学校教育では、フランクリン・ルーズベルト(FDR)大統領のニューディール政策が大恐慌を克服したと教えられてきた。しかし経済学者のドナルド・J・ブードロー氏は、その主張に異を唱える。
失業率は10%を下回ることなく
ブードロー氏によれば、ニューディール政策は確かに政府主導のプログラムを数多く生み出した。しかし、それらはアメリカ経済を回復させるどころか、むしろ状況を悪化させたという。
「ニューディール政策は投資をリスクの高いものに変えました。その結果、民間投資家は様子見を決め込みました」
— ドナルド・J・ブードロー
農家への「解決策」:食糧破棄がもたらした矛盾
当時、農家が低価格に苦しんでいたため、FDR政権は食糧の供給過剰を理由に、農家に作物の破棄を奨励した。その結果、飢餓に苦しむ人々の目の前で食べ物が捨てられた。
「人々は食べ物を必要としていました。価格を上げることが問題の解決にはなりません」
— インタビュアー
FDRは富裕層への増税や企業規制強化といった政策も実施したが、これらは現代でも繰り返される「解決策」の一例だ。
第二次世界大戦が経済を回復させた?
一般的に、第二次世界大戦の勃発が大恐慌を終わらせたとされる。しかしブードロー氏は、この見方にも反論する。
「失業率は確かに低下しました。しかし、250万人もの男性が徴兵されたことで、失業率が見かけ上改善しただけです。実際の経済成長が回復したのは、1940年代後半になってからでした」
1946年の選挙が経済を変えた
ブードロー氏によると、経済回復の鍵を握ったのは1946年の選挙で共和党が勝利し、民主党よりも投資家や企業に対して好意的な政策を打ち出したことだった。また、FDRの死去により、その後継者であるハリー・トルーマン大統領の反資本主義的な姿勢が和らいだことも影響したという。
「偉大なる不況」の教訓:政府介入の弊害
2008年の金融危機(偉大なる不況)でも、政治家たちは「規制されていない自由市場」のせいで起きたとして、市場を非難した。しかしブードロー氏は、その見方が間違っていると指摘する。
「政府は、住宅ローンの負担が軽く見えるように補助金を出し、銀行に対してそのローンを支援するよう強制しました。その結果、バブルが崩壊し、多くの人々が職を失いました」
政治家たちは、この危機を「規制の緩和」のせいだと主張したが、実際には政府の過剰な介入が問題を引き起こしたのだ。
経済自由主義の重要性
ブードロー氏は、経済の回復には政府の介入ではなく、自由市場の原則が不可欠だと強調する。歴史は、政府が経済に過度に介入すれば、投資が減少し、経済成長が阻害されることを示している。
「経済の歴史を振り返れば、自由市場が機能するほど、経済は繁栄します。その一方で、政府が経済に介入すれば、状況は悪化します」
現代への警鐘
現在も、政治家たちは「価格の高騰」や「不公平な経済」といった問題に対して、政府による価格統制や規制強化を提案している。しかし、歴史が示すように、こうした政策は一時的な「解決策」に過ぎず、長期的には経済をさらに悪化させる可能性が高い。
経済の繁栄を実現するためには、自由市場の原則を尊重し、政府の役割を最小限に抑えることが重要だ。