スイスの製薬大手ロシュは現地時間10月22日、実験的な多発性硬化症(MS)治療薬「フェネブルトニブ」の最新臨床データを発表した。同社はこのデータをもとに、再発率の低下や進行性障害の抑制が期待される新薬として、規制当局への承認申請に向けた動きを加速させる方針だ。
フェネブルトニブは、第3相の3つの臨床試験において有効性が確認されている。しかし、肝臓への安全性に関する懸念が指摘されており、米食品医薬品局(FDA)が過去に類似の安全性問題でサノフィのMS治療薬を却下した経緯もある。今回発表されたデータには、フェネブルトニブを服用した患者のうち2人が薬剤に関連した死亡をしていたことも明らかになった。
肝安全性の懸念が焦点に
専門家らは、フェネブルトニブの肝臓への影響について慎重な見方を示している。特に、過去の事例では肝機能障害が重篤な副作用として報告されており、規制当局が承認を慎重に検討する可能性が高い。ロシュはこれらの懸念に対し、詳細な安全性データを提出することで対応する構えだ。
承認への道のり
フェネブルトニブの承認申請が成功すれば、MS治療の新たな選択肢となる可能性がある。MSは中枢神経系の慢性疾患であり、再発と進行性の障害が患者の生活の質を著しく低下させる。現在の主な治療法では、再発の抑制や進行の遅延が課題となっている。フェネブルトニブがこれらの課題に対応できるかどうかが、今後の注目点となる。
ロシュは今後、規制当局との協議を進めながら、さらなるデータの収集と分析を行う予定だ。承認が得られれば、MS患者にとって画期的な治療法となることが期待される。
出典:
STAT News