米連邦取引委員会(FTC)は、自動車販売店に対し、競合他社の虚偽広告や隠れた手数料を通報するよう要請した。これにより、消費者が広告で見た価格と実際の販売価格の乖離に悩まされることが減ると期待されている。

FTCは4月17日に開催された全米自動車販売店協会(NADA)のウェビナーで、販売店に対し連邦広告規則に違反する競合店を報告するよう呼びかけた。FTC委員長のアンドリュー・ファーガソン氏は「広告で示された価格と店舗で実際に提示される価格の乖離に対する消費者の不満は依然として根強い」と述べた。

また、FTCは既に97の販売店グループに対し、価格表示に関する警告書を送付しており、業界全体に協力を求めている。しかし、虚偽広告や隠れた手数料、バイトアンドスイッチ(おとり商法)といった悪質な手法は業界内で長年横行してきたのが実情だ。

総額表示の義務化と業界の反応

FTCは、販売店に対し、文書手数料などの必須手数料を含む実質的な総額を広告に明記するよう求めている。これにより、消費者は購入前に実際に支払う金額を正確に把握できるようになる。しかし、このような虚偽広告が業界で広く行われているとすれば、販売店同士で互いを監視し合うというシステムには限界がある。

業界関係者の間では、暗黙の了解として「お互いに通報しない」という不文律が存在する可能性も指摘されている。これにより、誰もが低価格を広告し、集客を図る一方で、規制当局からの圧力を回避するという構図が生まれる。

逆に、ある販売店が競合他社を通報し、FTCがその競合を厳しく取り締まったり、市場から排除したりした場合、通報した側の販売店が再び同じ手法を用いる可能性もある。競合が排除されれば、新たな業者が参入し、同じ問題が繰り返されることになる。

根本的な解決には強力な規制が必要

FTCが販売店の行動を本当に変えるつもりなら、競合同士の通報に依存するだけでは不十分だと専門家は指摘する。むしろ、厳格な実地検査や無作為の監査、そして実質的な罰則を通じて、虚偽広告が真実を伝えるよりもコストが高くつく状況を作り出すことが必要だ。

出典: CarScoops