米フロリダ州中部地区連邦地裁のアレン・ウィンソア主任判事は先週、公務員の解雇に関する訴訟で、原告の主張を認める判断を下した。同判事は、原告の主張する事実関係を全面的に受け入れ、訴訟の継続を認めた。

原告のマクベイ氏は州の財務担当職員だった。保守系活動家チャーリー・カーク氏が暗殺された直後、マクベイ氏は個人のInstagramアカウントにカーク氏の写真とともに「この人種差別主義者は少なくとも片耳を負傷せずに済んだな。善良な銃の持ち主たちはどこにいたんだ? 祈りと哀悼。政治化はやめよう」と投稿した。この投稿は友人のみが閲覧可能で、マクベイ氏の勤務先や氏名を特定できる情報は含まれていなかった。

さらにマクベイ氏はFacebookのプロフィール写真を「米国政府が人々に死を望むのをやめさせようとしない」というメッセージのグラフィック画像に変更した。この投稿は公開状態で、誰でも閲覧可能だったが、勤務先を示す情報はなかった。知人から「カーク氏と同様の信念を持つ人々の死を望む」と指摘されたマクベイ氏は、投稿のトーンを和らげるために一文を削除した。

暗殺から5日後の9月15日、マクベイ氏は人事部から解雇通知を受け取った。人事担当者は「チャーリー・カークに関係する投稿が理由」と述べた。数日後、マクベイ氏はInstagramの投稿、Facebookの画像、LinkedInプロフィールが掲載されたアカウントを発見した。そこにはマクベイ氏の投稿に関する通報文のコピーも含まれていた(マクベイ氏は知人が通報したと推測)。

憲法上の保護対象となるかが焦点

マクベイ氏は、憲法修正第1条(言論の自由)に基づく解雇無効訴訟を提起した。同条項に基づく主張が認められるには、以下の3要件を満たす必要がある。

  • 1. 公的関心事に関する発言であること:発言が公的な議論に関わるもので、私的な利益を目的としたものではないこと
  • 2. 雇用者の利益との均衡:発言者の言論の自由の利益と、雇用者の業務効率性の利益のバランスを考慮する(ピケリング・テスト)
  • 3. 解雇との因果関係:発言が解雇の直接的な原因となったこと

州側は3要件のうち、特に「2. 雇用者の利益との均衡」に焦点を当てた反論を行ったが、他の2要件については争わなかった。このため裁判所は、マクベイ氏が残り2要件を満たしていると仮定した上で審理を進めることとした。

ピケリング・テストの適用

ピケリング・テストは、公務員の言論の自由と雇用者の業務効率性のバランスを図るための基準で、以下の3要素を考慮する。

  • 業務遂行への支障の有無:発言が公的サービスの提供に支障をきたすか
  • 発言の方法・時期・場所:発言のタイミングや表現方法が適切か
  • 発言の文脈:発言が行われた状況や背景

裁判所は、これらの要素を総合的に判断する必要があるとしつつも、現段階では原告の主張が十分な事実を示しており、審理を継続するのに足りると結論付けた。特に、発言が「公的関心事」に関わるものであり、勤務時間外の私的なSNS投稿であった点が考慮された。

同判事は「ピケリング・テストの均衡は事実に基づく判断が必要な場合が多く、即時の判断が難しいケースもあるが、原告は十分な事実を示しており、審理を進めるに値する」と述べた。

出典: Reason