大統領令により退職貯蓄アクセス拡大へ
米国で、退職貯蓄の機会が拡大する可能性が出てきた。トランプ前大統領は1月、雇用主が退職金プランを提供しない労働者向けの新たな退職貯蓄制度を推進する大統領令に署名した。Semaforが最初に報じたこの措置により、連邦政府は2027年1月にTrumpIRA.govと呼ばれるオンライン市場を立ち上げ、民間の退職金プランを選択できるようにする。
新制度「Saver’s Match」との連動
新しいオンライン市場は、2022年にバイデン前大統領の下で制定されたSaver’s Matchと呼ばれる連邦プログラムと連動して開始される。この制度では、個人の退職貯蓄への拠出に対し、最大1,000ドルのマッチングが行われる。対象となるのは、単身者で年間所得が35,500ドル未満の人々だ。Saver’s Matchは、現在の「Saver’s Credit」(税額控除)に代わるもので、納税額を直接減額する仕組みとなっている。
プラン選択の基準
労働者は、コスト、最低拠出額、最低残高などの条件で退職金プランを絞り込むことができる。また、財務省はTrumpIRA.govで提供されるプランを審査するが、金融機関との提携は行わない方針だ。
現状の課題と今後の展望
米国の退職貯蓄制度へのアクセスは、依然として大きな格差が存在する。Gallupの2025年の調査によると、退職金プラン(401(k)など)へのアクセスがあると回答した米国人は60%にとどまる。しかし、年間所得が5万ドル未満の世帯では、その割合は28%にまで低下する。
トランプ前大統領は2026年の一般教書演説で、米国の労働者の半数が「雇用主によるマッチング拠出のある退職金プランにアクセスできていない」と指摘し、新たな制度の必要性を強調した。
「この不公平な格差を是正するため、来年から私の政権は、これまで見過ごされてきた米国の労働者たちに、連邦政府の職員と同じ退職金プランへのアクセスを提供します」
今後のスケジュールと立法提言
財務省と国家経済会議は、労働者の自動加入やマッチング資格の拡大など、この計画をさらに拡充するための立法提言を策定する。具体的な法案の成立時期は未定だが、2027年のオンライン市場開始に向けて準備が進められる。