ルイジアナ州のLNG輸出ブームと環境への影響

2016年、ルイジアナ州は米国初のLNG(液化天然ガス)輸出ブームを開始した。当初は石炭や石油に代わる「クリーンで気候に優しい」エネルギーとして注目を集めたが、同州初のLNGターミナル「サビーン・パスLNG」は、州内で最大級の温室効果ガス排出源の一つとなった。その後、さらに規模の大きいLNG施設が建設されており、完成すれば米国で最も排出量の多いLNGプロジェクトとなる見込みだ。

ルイジアナLNGターミナルの排出規模

ルイジアナ州南西部の湖チャールズ近郊で建設中の「ルイジアナLNG」は、2029年の稼働を予定している。同施設は、年間950万トン以上の温室効果ガスを排出すると見積もられており、これは米国で稼働中の他のLNGターミナルを上回る規模だ。例えば、サビーン・パスLNGの年間排出量は約700万トンとされており、ルイジアナLNGはこれを大幅に超える。

また、米国環境保護庁(EPA)によると、ルイジアナLNGの排出量は、他の23の提案中のLNGターミナルの中で最も多く、次に排出量が多いとされるアラスカ州のターミナル(2030年稼働予定、年間860万トン)をも上回る見込みだ。

環境団体からの強い懸念

ルイジアナ州は、温室効果ガス排出による海面上昇やハリケーンの激化など、気候変動のリスクに直面している。環境団体「ルイジアナ・バケツ・ブリゲード」のエグゼクティブ・ディレクター、アン・ロルフェス氏は、同州の脆弱性が高まる中でさらなる温室効果ガスの排出を増やすことの危険性を指摘する。

「ルイジアナ州はますます脆弱になっています。それなのに、温室効果ガスの排出を増やすことで、その脆弱性をさらに悪化させているのです。これは狂気の沙汰です」

経済効果と巨額投資

ルイジアナLNGは、オーストラリア最大の石油・ガス企業であるウッドサイド・エナジーが所有している。建設費は約180億ドルに達すると見込まれており、ルイジアナ州の共和党知事ジェフ・ランドリー氏は、このプロジェクトを「ルイジアナ州史上最大級の海外投資」の一つと呼んだ。2024年9月に行われた起工式では、ランドリー知事は「ルイジアナ州と米国にとって素晴らしい日」と語った。

完成後は数千人の建設労働者と数百人の常勤従業員を雇用し、地元の税収増加にも貢献すると期待されている。ルイジアナ経済開発局によると、同州の経済成長に寄与するとしている。

ウッドサイド社のLNG戦略

ウッドサイド社は、天然ガスを超低温で液化し、輸送・貯蔵を容易にするLNG事業に注力している。同社は2024年に、テキサス州ヒューストンを拠点とする天然ガス企業「テラリアン」から、湖チャールズ近郊の1,000エーカーの土地を取得。当初は「ドリフトウッドLNG」として開発が進められていたが、現在は「ルイジアナLNG」として再編されている。

米国のLNG輸出ターミナルの排出量比較(年間CO2換算トン)

  • ルイジアナLNG(建設中):950万トン以上
  • サビーン・パスLNG(稼働中):約700万トン
  • 他の稼働中ターミナル:7ターミナル合計で700万トン未満
  • 提案中のターミナル(最も排出量が多いもの):アラスカ州(2030年稼働予定)860万トン

出典:米国環境保護庁(EPA)・環境完全性プロジェクト

今後の展望と課題

ルイジアナLNGの完成は2029年を予定しており、完成すれば米国で最も排出量の多いLNGプロジェクトとなる。一方で、環境団体や気候変動対策を求める声は強まっており、今後の規制強化やプロジェクトの見直しが議論される可能性もある。

出典: Grist