米国企業の60%が「地元採用が困難に」と回答
Remoteが発表した「2025年グローバル労働力レポート」によると、米国のリーダーの60%が「地元で優秀な人材を見つけるのが昨年より難しくなった」と回答した。同調査には世界3,600人以上の人事・経営幹部が参加。米国の採用市場が全体的に冷え込んでいるように見えるが、その裏では産業ごとに採用競争が激化しており、特に専門スキルを持つ人材の確保が困難になっている。
移民規制の厳格化とAIの台頭が採用難を加速
同時に、移民ビザの取得が困難になり、AI技術の進展により職務要件が急速に変化する中で、多くの労働者が再スキル獲得に追われている。かつて米国企業は国内の労働力規模を活かして、ある都市で採用できなければ別の都市で採用するという柔軟性を持っていたが、今ではその優位性が失われつつある。
グローバル採用が「成長戦略」から「必須モデル」へ
米国企業の多くは、グローバル採用を「進歩的な取り組み」として行っているわけではない。地元に適切な人材が見つからないため、やむを得ず国際採用に踏み切っているのだ。米国のリーダーの45%が、人材不足により少なくとも1つのビジネス目標(拡大計画の遅延、製品リリースの延期、売上目標未達など)を達成できなかったと回答。必要なスキルを持つ人材が近くにいない場合、採用範囲を広げざるを得ない。
国際採用がローカル成長を支える
企業の73%が、2026年に新規採用する人材の半数以上が米国外在住になると予測。新規市場に進出する際、現地の規制や顧客ニーズを理解した人材を採用することで、初期段階での摩擦を軽減できる。分散型チームは運用面でも優位性を発揮する。時差を活かして業務を連続的に進行させることで、製品開発や顧客対応のスピードが向上。しかし、明確な役割分担と境界線の設定がなければ、常にオン状態の文化が生まれ、逆に効率が低下するリスクもある。
米国企業のグローバル化が加速、もはや「当たり前」に
同調査によると、米国企業の45%が過去6ヶ月以内に国際採用を行い、50%が今後6ヶ月以内に実施予定。国内人材のみを採用している企業はわずか15%に過ぎない。米国企業の平均的なグローバル展開国数は3.5カ国で、世界平均の3.6カ国とほぼ同水準。10年前であれば珍しかった状況が、今では「普通」となっている。
雇用主にとって、人材プールはもはやグローバルがデフォルトだ。これは米国人労働者の価値を下げるものではなく、むしろ米国チームが手がけることのできるプロジェクトの幅と競争力を拡大するものだ。多くの産業がデジタルスキルやAIリテラシーの向上に追われており、その移行には時間を要する。その間、グローバル採用は企業が競争力を維持するための重要な手段となる。
労働者にとってのキャリア形成の変化
この流れは、労働者のキャリア形成にも変化をもたらす。地理的な制約がなくなることで、より多くの機会にアクセスできる一方で、スキルの再構築と柔軟な働き方が求められるようになる。企業と労働者双方にとって、グローバル化は避けられない時代の到来を示している。