米国の市民権を持つレオ・ガルシア・ベネガスさん(38)が、国土安全保障省(DHS)を相手取り提訴した。米国移民税関執行局(ICE)は昨年2度にわたり不当逮捕したにもかかわらず、今年5月にも再び逮捕したという。

先週提出された裁判書類によると、5月2日の朝、アラバマ州シルバーヒル在住のベネガスさんは、自宅の車道で無標識のSUVに進路を塞がれた。ベネガスさんが運転していたトラックは兄のもので、自身の車が故障していたためだった。トラックに近づいたICEの職員に対し、ベネガスさんはREAL ID(米国市民権を証明するID)を提示しようとしたが、職員は質問すらせず、車から引きずり出して地面に押し倒し、両腕と両足を拘束した。

「職員は一言も質問せず、法的な指示も出さないまま、私を車から引きずり出し、地面に押し倒して拘束しました。彼らは私が米国市民であると言うのに耳を貸さず、アラバマ州スターID(REAL ID)を見ようともしませんでした。このIDは法的地位を証明するもので、正規の発行が必要です」

— レオ・ガルシア・ベネガスさん(宣誓供述書より)

拘束中、ICEは15分間にわたりデジタルで身元確認を行ったが、その間も職員は一切質問しなかったという。裁判書類には以下のように記されている。

「職員は、私を物理的に拘束する前に、身元・市民権・移民ステータスについて一切尋ねませんでした。車から降りるよう求めることも、IDを見ることもありませんでした。IDは手に持っていたのに、暴力的な行為に及んだのです」

ベネガスさんは、DHSの移民執行政策をめぐる集団訴訟の原告団長を務めている。昨年は建設現場で2度逮捕されたが、いずれもREAL IDを所持していた。DHSの職員は訴訟書類の中で「REAL IDは米国市民権の確認に不十分な場合がある」と証言している。

さらに不可解なことに、DHSはベネガスさんの逮捕を否定。声明で「レオナルド・ガルシア・ベネガスさんは先週逮捕されていません。5月2日土曜日に、ICEは不法滞在者名義の車両を対象とした通常の車両検問を実施しました。身元確認後、彼は解放されました」と主張した。

昨年10月に行われたプロパブリカの調査では、ICEが少なくとも170人の米国市民を不当逮捕していたことが判明。中には憲法修正第4条(不当な捜索・逮捕の禁止)に違反する過剰な暴力や、相当な理由なしの拘束も含まれていた。ICEはまた、逮捕した米国市民に関する虚偽の報告も行っていた。ベネガスさんだけでもICEとの3度の不当な接触があったが、同様の被害を受けている人は他にも存在する可能性がある。