米農務省森林局が進める大規模な組織再編により、100年以上にわたる貴重な歴史的資料が失われる可能性があると専門家が警告している。

同局は3月末、全10の地域事務所を閉鎖する大規模な再編を発表したが、その中で同事務所が保管する未デジタル化の資料が失われる懸念が浮上している。これらの資料には、森林の歴史を記録した写真、科学研究データ、土地管理記録、水や植物のサンプルなどが含まれ、気候変動の歴史を示す貴重な記録となっている。

センター・フォー・バイオロジカル・ダイバーシティの上級公共土地擁護者、ブライアン・ノウィッキー氏は「気候変動に対処するためには、歴史的記録を基にした正確な判断が不可欠だ」と述べ、資料の保存の重要性を強調した。

資料保存の計画は未公表

同局は再編に伴い、資料の保存計画について一切公表していない。このため、同センターは4月、米農務省に対し、資料の移転計画や国立公文書館への提出予定記録に関する情報公開請求を行った。連邦法では、当局は20営業日以内に回答する義務があるが、具体的な計画は依然として明らかにされていない。

米農務省の広報担当者は、森林局が法令に基づく基準を遵守し、公的記録の喪失や破壊を防ぐ措置を講じていると主張。再編に伴い、公的文書が保護され、アクセス可能な状態で維持されるとしている。しかし、同担当者は地域事務所の閉鎖後も大半の施設を保持すると述べるにとどまり、資料の移転や管理計画の詳細については回答しなかった。

過去のデータ削除も懸念

トランプ政権下では、過去1年間でさまざまなデータソースが廃止されており、ノウィッキー氏は森林局の資料保存計画の具体性を求めている。同氏によれば、森林局内の職員からも資料の行方について明確な計画がないとの声が上がっているという。また、1世紀以上にわたる膨大な資料の移転は、すでに人員不足に悩む同局にとって大きな負担となる可能性がある。

米国人事管理局のデータを分析したところ、トランプ政権2期目の初年度に森林局の職員数は16%減少していたことが判明した。