ドイツ自動車大手BMWは2026年の第1四半期(1~3月)に、グループ全体の税引き前利益が前年同期比24.6%減の23億ユーロ(約27億ドル)に落ち込んだ。自動車部門に限れば、33.5%減の12.7億ユーロ(約15億ドル)とさらに厳しい状況となった。売上高も8.3%減の310億ユーロ(364億ドル)に縮小した。

しかし、これらの数値は市場予想を上回る結果だった。アナリストらはBMWの税引き前利益を22億ユーロ(26億ドル)と見積もっていたが、実際の数値はそれを上回った。自動車部門の営業利益率も6.9%から5.0%に低下したが、これも予想を下回る減少幅だった。これにより、BMWは投資家の信頼を維持することに成功した。

EV販売不振と米国市場の課題

BMWの課題は多岐にわたる。まず、最大市場の中国における販売不振が挙げられる。また、米国で連邦税額控除が打ち切られたことで、EVの販売台数は前年同期比20.1%減の15.5%に低下した。このため、全体の販売台数も3.5%減の56万5,780台となった。

BMWのCEO、オリバー・ツィプセ氏は、米国の関税脅威について「既成事実ではなく、交渉の材料に過ぎない」と否定的な見方を示した。トランプ前大統領が提案した輸入車への25%関税は、依然として不確実性を抱えている。

新戦略「Neue Klasse」が明るい兆しに

BMWは、新型電気自動車(EV)の投入で回復を目指す。新型iX3は発売直後から市場で高い人気を集め、X3シリーズの販売の半分がEVとなった。また、米国ノースカロライナ州の工場で生産されるiX3の注文受付が開始され、さらなる販売拡大が見込まれる。

さらに、2026年秋から生産が開始される電気自動車「i3 3シリーズ」は、新しいプラットフォーム「Neue Klasse」を採用し、WLTP基準で885kmの航続距離を実現する。これにより、BMWはEV市場での競争力強化を図る。

BMWは、2026年の通期業績見通しを据え置いており、CEOも「状況は管理可能」と楽観的な見解を示している。今後、新型車の投入や生産体制の強化が奏功すれば、業績回復につながる可能性がある。

出典: CarScoops