HBO Maxのコメディシリーズ「Hacks」シーズン5で、DJ(キャトリン・オルソン)と母デボラ・バンス(ジーン・スマート)が「アメージングレース」に出演するという、シリーズ初のコラボレーションが実現した。このエピソードは、3年にわたる構想と準備の末に生まれた、感動的なクライマックスとなった。
「アメージングレース」の共同クリエイターであるルシア・アニエロは、『TheWrap』の取材に対し、「私は長年「アメージングレース」の大ファンで、デボラがこの番組に出演する姿を想像していました」と語った。実際に、シーズン2でデボラが番組を視聴するシーンが描かれていたが、それが現実のものとなったのは、バラエティ誌のマイケル・シュナイダーを通じて「アメージングレース」の共同クリエイター、エリセ・ドガニエリと出会ったことがきっかけだった。
監督を務めたジェフ・ローゼンバーグ、脚本を担当したパット・レガンによるエピソード「D’Amazing Race」では、当初はデボラが自身のニューヨーク公演の宣伝のために参加を決意したものの、やがてDJのゲームへの真摯な姿勢に感銘を受け、親子の関係が大きく深まる様子が描かれる。エピソードの終盤、デボラはこれまでDJを厳しく評価しすぎていたことを認め、その勇敢さに驚嘆する。
アニエロは「キャトリン・オルソンはこの世で最も面白い人です。彼女の才能は無限で、コメディアンとしてだけでなく、ドラマティックな演技力も抜群。そして何より、とても素敵な人です」とオルソンの才能を絶賛。さらに「DJの物語を「アメージングレース」を通して締めくくり、デボラがDJの素晴らしい資質を見誤っていた事実に気づくという展開は、まさに完璧なマッチングでした」と語った。
このエピソードの制作には、3年以上の歳月と複数のロケ地、そして急斜面で巨大なチーズ車輪を転がすという危険なスタントが含まれていた。アニエロは冗談交じりに「プロデューサーに10エピソード分のシーズンをやりたいと話したこともありましたよ」と明かす。シリーズ共同クリエイターで主演のポール・W・ダウンズも「6シーズン分のストーリーを10エピソードで終わらせることもできたでしょう」と語った。
美術監督のロブ・トカルズは、このエピソードの制作にあたり、いかに「アメージングレース」のエピソードに忠実に再現するかを重視した。HBOのチームは、実際の「アメージングレース」で使用される封筒や青いクルーボックスを借用し、画面上のグラフィックもCBS版に合わせた。さらに、同番組のプロデューサーがHBOチームに協力し、細部まで正確性を追求した。