ニュルブルクリンク(通称「グリーンヘル」)で、アストンマーティンのヴァンキッシュプロトタイプがテスト走行中であることが確認された。より洗練されたエアロダイナミクスと特異な排気システムが捉えられており、これは「ヴァンキッシュS」と呼ばれる高出力モデルの存在を示唆している。

現在のヴァンキッシュは、アストンマーティンのGTラインナップで最上位に位置するモデルだが、今回のプロトタイプは、さらに高性能な「S」バージョンの開発に向けたものと見られる。その証拠に、マットブラックの車体に緑の迷彩を施したプロトタイプは、フロントスプリッターの強化や、より攻撃的なエアロパーツを装備していた。

8本排気管の謎とその由来

プロトタイプのリアエンドには、特筆すべき変化が見られた。テールゲートの大部分がメッシュ素材に置き換えられ、その裏側には通常の4本のテールパイプに加えて、さらに2本の大型排気口が確認された。加えて、ディフューザー付近にも2本の排気管が追加され、計8本の排気口が確認できる仕様となっている。

この8本排気システムについて、専門家らは「元々の4本の排気口は機能しておらず、残りの4本が開発段階の暫定的な排気システムである可能性が高い」と分析している。量産モデルでは、より洗練された排気システムと、リアバンパーの再設計が行われる見込みだ。

ヴァンキッシュSの実力と発売時期

プロトタイプには「Emissions Test Vehicle(排出ガステスト車両)」および「Prototype Vehicle(プロトタイプ車両)」のステッカーが貼られており、アストンマーティンが隠す意図を持っていないことが伺える。現行のヴァンキッシュは、5.2リットルV12ツインターボエンジンを搭載し、824馬力(614kW / 835PS)738lb-ft(1,000Nm)のトルクを発揮する。このエンジンはリアに搭載され、8速ATと組み合わされている。

ヴァンキッシュSでは、出力が850馬力を超える可能性が高いと見られており、シャシーのチューニングもより硬めに設定される見込みだ。また、エアロダイナミクスの向上やボディキットの強化も期待される。現在のヴァンキッシュは2024年9月に発売されており、ヴァンキッシュSの発売は2026年後半から2027年初頭にかけてになると予想されている。

ライバルたちとの競争

ヴァンキッシュSが発売されれば、フロントエンジンのフェラーリ12気筒(12Cilindri)ミッドシップエンジンのランボルギーニ・レヴエルートといったライバルモデルとの熾烈な競争が予想される。アストンマーティンは、これまでのGTモデルの伝統を継承しつつ、さらなる高性能化を目指している。

なお、今回のテスト走行の様子は、ドイツの写真家であるベンジャミン・バルダウフ(Benjamin Baldauf)氏によって撮影されたものだ。

出典: CarScoops