フロリダ州のミコスキー族は、同州のエバーグレーズに広がる聖地で毎年行われる「コーンダンス」の季節を迎えている。しかし今年は、同族が「アリゲーター・アルカトラズ」と呼ぶ移民拘留施設が聖地に隣接して稼働し始めたことで、例年とは異なる状況となっている。
同施設から放たれる強い光は、数マイル先まで届き、ミコスキー族にとって重要な宗教的行事である星の方位観測を妨げていると、同族の最高執行責任者(COO)を務めるカーティス・オセオラ氏は語る。光害がなければ、エバーグレーズの広大なサググラス湿原やサイプレス湿地帯の上空には、無数の星が輝いているはずだという。
「私たちの土地との関係を説明するのは難しいし、誰もが理解できるわけではありません」とオセオラ氏は述べる。「まるで、教会のある聖地に行って、『この教会の土地を更地にして刑務所を建てる』と言われるようなものです。誰もが激怒するでしょう。ここは私たちの礼拝の場であり、聖地なのです。これは公平ではありません。」
ミコスキー族と環境団体は、昨夏にオープンした同施設の操業停止を求め、引き続き訴訟を進める方針だ。第11巡回控訴裁判所は先週、地区裁判所のキャスリーン・ウィリアムズ判事が8月に下した施設の段階的閉鎖を命じる仮処分を無効化する判決を言い渡した。今後はウィリアムズ判事が次の手続きを決定することになる。
この判決により、訴訟中であっても施設は当面操業を続けることが可能となった。ミコスキー族と原告団は、連邦政府と州政府が環境影響評価法(NEPA)に基づく環境審査を怠ったとして、施設の建設と運営の違法性を訴えている。政府側は、施設は州営であり連邦施設ではないと主張し、連邦の審査は不要だと反論。環境への影響も最小限だと主張している。
フロリダ中南部に広がるエバーグレーズは、州内数百万人の飲料水を供給する重要な水源地であり、270億ドル規模の大規模な自然再生プロジェクトが進行中だ。控訴裁判所は政府側の主張を支持し、原告団が連邦政府による施設の管理を立証できなかったと判断。ウィリアムズ判事の仮処分は、移民執行の差し止めを禁じる法律に違反するとの見解も示した。
判事らは、施設の運営者が連邦の移民基準を遵守しているからといって、それが直ちに連邦施設であると認定されるわけではないと指摘。例えは、オーナーが米国労働基準を順守しているビルを、連邦施設と呼ぶことにはならないと述べた。