ジョン・ロバーツ米最高裁判所長官のキャリアを象徴する2つの発言が、ニューヨーク・タイムズ紙の追悼記事の上部に掲載される可能性が高い。そのうちの1つは2005年の承認聴聞会で語った「私の仕事はボールとストライクを判定することで、投げたり打ったりすることではない」という言葉だ。

この発言は、中立的な憲法解釈者としての立場を示すためのものだった。しかし、その後の実績はその言葉とは裏腹だった。ロバーツ長官は党派的な立場から憲法解釈を推進し、実際には「打者」として振る舞っていたことが明らかになっている。

例えば、2012年にジェフリー・トゥービン記者が「ニューヨーカー」誌で詳細に報じたように、ロバーツ長官は2010年の「市民 united」判決を徹底的に操作し、選挙資金規制の撤廃に最大限の影響を与えた。この判決は、アメリカの民主主義を金権政治に委ねる結果を招き、現在の政治的混乱の一因となっている。

もう1つの発言は、2007年に公立学校の人種統合策に関する判決で述べた「人種に基づく差別を止める方法は、人種に基づく差別を止めることだ」というものだ。この発言は、シアトルとルイビルの学校における自主的な人種統合策を否定する5対4の判決で示されたものだった。

当時、リベラル派は学校の再 segregation(人種隔離)が進むと警告したが、保守派は「時代は変わった」と一蹴した。しかし、実際にはその後19年間で公立学校の segregation が深刻化したことが、2024年にアクシオスが発表した調査で明らかになった。1988年には全米の学校のうち7.4%が「強度 segregation(90%以上が白人)」だったが、2022年にはその割合が大幅に増加した。

この判決は、Brown v. Board of Education(1954年)の理念を事実上否定するものであり、アメリカの教育における人種差別の再拡大を招いた。ロバーツ長官の「中立」を標榜する発言は、実際には憲法解釈の党派性を隠すためのものだったと言わざるを得ない。