テスラは次世代ロードスターを、同社のラインアップで唯一の手動運転車種とする方針を明らかにした。これは、自動運転を重視する同社の戦略との整合性が疑われる一方で、内部文書では「設計開発中」と記載され、生産工場の計画も未定となっている。

現在、テスラの次世代ロードスターを巡る議論は、主に3つの論点に集約される。まず、その車両としての位置付け、次に同社の戦略における役割、そして最後に、実際に市場投入されるのかという疑問だ。このたび、イーロン・マスクCEOによる新たな発言で、最初の論点には明確な答えが示されたものの、2番目と3番目についてはさらなる疑問が浮上している。

テスラは先日開催された決算発表の電話会議で、ロードスターについて「長期的には、当社のラインアップ全体を自動運転車で構成し、サイズも多様化させる。実際、長期的には唯一の手動運転車となるのが新型ロードスターだ」と述べた。テスラはこれまで、性能を重視した車両から、自動運転に特化した戦略へとシフトしてきた。マスク氏の発言は、この方向性をさらに推し進めるものだ。

その一方で、テスラはロードスターに特化した位置付けを与えている。自動運転への移行が進む中、同車は「運転を楽しみたい層」向けの「フラッグシップモデル」としての役割を担うことになる。

10年越しの「おとぎ話」か

しかし、ロードスターの実現性には依然として疑問が残る。2017年に発表された同車は、これまでに複数回の発売延期を繰り返しており、直近では今年4月1日のデモ走行も実現しなかった。新たな株主向け文書によると、ロードスターの生産工場は「未定(TBD)」とされ、ステータスは「設計開発中」のままとなっている。テスラは当初、2020年の発売を目指していたが、現状では実現までに数年を要する見通しだ。

「デモでトラブルが起きないよう、多くのテストと検証が必要だ。しかし、これは間違いなく最もエキサイティングな製品発表の一つになるだろう」とマスク氏は述べた。しかし、その実現に向けた具体的なスケジュールや計画は依然として示されていない

テスラの「究極のドライバーズカー」という目標は、誰しもが応援したくなる野心的なものだ。しかし、現状ではロードスターは「おとぎ話」のように感じられるのも事実だ。

出典: CarScoops