米国のトランプ政権は、ニューヨーク・タイムズ紙を連邦裁判所に提訴した。同紙が白人男性に対する差別を行ったと主張し、公民権法違反を追及している。
この訴訟は、米国雇用機会均等委員会(EEOC)がニューヨーク・タイムズを相手取り、白人男性の従業員が昇進を拒否されたのは人種と性別が要因だと主張したことに端を発する。同従業員は2025年7月にニューヨークのEEOC事務所に申し立てを行ったが、その後アラバマの調査官に引き継がれ、現在に至るまで調査が続いている。
タイムズ側の広報担当者、ダニエル・ローズ・ハ氏は声明で、「EEOCによる主張は政治的動機に基づくものであり、根拠がない」と述べた。また、「当社の採用・昇進は実力主義に基づいており、世界最高の人材を求めている」と強調した。
調査当初はタイムズの採用・昇進全般を対象としていたが、EEOC委員長アンドレア・ルーカスが直接担当することで、特定の役職(副編集長)への就任が拒否されたかどうかが焦点となった。2024年4月21日には、EEOCがタイムズに対し、法務部門への移管を発表した。
今回の提訴は、トランプ政権がメディアに対して行う攻撃の最新例であり、特に批判的な報道を行うメディアを標的にしている。また、多様性・公平性・包摂(DEI)を巡る問題が度々取り沙汰されている。連邦通信委員会(FCC)は現在、NBCの親会社であるコムキャストのDEI施策を調査中であり、先月には委員のブレンダン・カー氏がディズニー(ABCの親会社)のDEI施策についても調査を発表した。
トランプ氏はニューヨーク・タイムズに対し、長年批判的な報道を行っている。昨年には150億ドルの名誉毀損訴訟を起こしており、少なくとも10年以上にわたり「失敗したニューヨーク・タイムズ」と表現してきた。今般、政権の力を背景に同紙に対抗している。