米連邦地裁・ペンシルベニア東地区の判事、ジェラルド・パパート氏は5月1日、ペンシルベニア大学(以下、ペン)に対し、反ユダヤ主義ハラスメントの調査に関する文書提出を命じる判決を下した。

2023年10月のハマスによるイスラエル攻撃後、当時のペン学長エリザベス・マギル氏らは、ユダヤ人教職員や職員がキャンパスで深刻な反ユダヤ主義行為に直面していると発言。これを受け、EEOCはペンに対し、被害者や目撃者となりうる従業員の連絡先を求める召喚状を発行したが、ペン側はこれに応じなかった。

判事がEEOCの召喚状を認可

パパート判事は、EEOCの召喚状を認可し、ペンに対し、召喚状の大部分に従うよう命じた。期限は5月1日。ペン側はその後、控訴審への移行を求める停止命令を申請したが、判事はこれを却下した。

停止命令の申請に際し、判事は4つの基準を検討:①申請者が実質的な勝訴の見込みがあるか、②回復不能な損害が生じるか、③停止が他方当事者に重大な損害を与えるか、④公益に資するか。パパート判事は、ペン側が実質的な勝訴の見込みは低く、むしろ控訴審で脆弱性を露呈すると指摘した。

ペン側の主張を退ける

ペン側は、EEOCの召喚状が「前例のない」ものであり、執行できないと主張。特定宗教の従業員を特定する召喚状の執行例がないと強調したが、判事はこれを退けた。

判事は、マギル学長の発言を受け、EEOCが宗教に基づく差別の疑いを調査する正当な理由があると認定。召喚状は、ユダヤ人コミュニティに属する従業員の連絡先を求めるもので、その目的は、ペンがユダヤ人従業員に対し宗教に基づく敵対的環境を作り出したかどうかを調査することにあると述べた。

また、ペン側は召喚状が「過度な負担」を強いると主張したが、判事はこれを否定。召喚状は、差別の疑いに関連する情報を求めるもので、ペンにとって過度な負担とはならないと結論付けた。

今後の展開

ペン側は控訴審への移行を目指す可能性があるが、判事はその見込みは低いとの見解を示した。一方、EEOCは引き続き調査を進め、必要な情報の提供を求める見通しだ。

出典: Reason