米国最高裁判所(ロバート裁判所)は2024年10月7日、アラバマ州の選挙区改編案を承認する決定を下した。同州の黒人議員議席数削減につながる可能性があり、党派的判断として批判が集まっている。

同日の決定は6対3の賛成多数で、共和党任命の判事が全員賛成に回った。これにより、アラバマ州の黒人有権者(州人口の27%)が議員を選出できる機会は、現在の2議席から1議席に削減される見通しとなった。さらに州議会は、将来的に黒人多数選挙区を完全に排除する7議席全てを白人議員が占める「7-0マップ」の導入を目指す構えだ。

歴史的判断が引き起こす波紋

アラバマ州は公民権運動の舞台であり、モンゴメリー・バス・ボイコット、フリーダムライド、バーミンガム教会爆破事件、セルマの血の日曜日など、黒人差別との闘いの歴史を持つ州だ。しかし今回の判断により、同州から黒人議員が排除される可能性が生じた。

ロバート最高裁の二転三転

最高裁は2021年の「アレン対ミリガン」判決で、アラバマ州に黒人多数選挙区を2つ設けるよう命じていた。しかし今回の判断はこれを覆し、州議会の意向を優先した形となった。専門家らは「党派的な判断が選挙結果に影響を与える」と指摘する。

「最高裁が党派的な判断を繰り返すことは、基本的な信頼を損なう。法律の専門家でなくとも、一方の政党に極端に有利な判断が繰り返されていることは明らかだ」
— ケアム・クレイトン(ブレナン・センター公民権専門家)

今後の選挙への影響

今回の判断により、アラバマ州の2026年選挙区割りが確定した。共和党はこの判断を受け、黒人議員議席のさらなる削減を目指す可能性がある。また、2024年11月の下院選挙においても、民主党が議席奪還を目指す中で、共和党優位の議席配分が固定される懸念が高まっている。

ロバート最高裁長官は先週、判事らは「政治的行為者ではない」と発言していたが、今回の判断はその主張と矛盾するものとなった。

専門家からの批判

選挙区改編の専門家らは、今回の判断が「選挙結果を操作するための明確な試み」だと批判する。民主党支持者だけでなく、共和党内の一部からも「司法の独立性が損なわれている」との声が上がっている。