米国の民主党議員2人が、商務長官ハワード・ルトニック氏に対し、世界最大のステーブルコイン発行元テザーとの関係について説明を求める書簡を送付した。同書簡は4月29日付で、上院議員エリザベス・ウォーレン氏とロン・ワイデン氏が共同で作成した。

報道によると、ルトニック氏の子供4人が受益者となる信託が昨年10月、テザーから融資を受けていたことが明らかになった。その直後、ルトニック氏は金融大手キャントー・フィッツジェラルド社の数十億ドル規模の株式を、同社の信託を通じて子供たちに売却していたという。

特に問題視されているのは、テザーから融資を受けた信託が、キャントー・フィッツジェラルド社の株式の過半数を保有していた点だ。融資は信託の「全資産」を担保としていたとされる。議員らは書簡で、この融資が「利益相反を招く可能性がある」と指摘し、テザーが政策決定に影響を与えていないかを追及した。

「この融資に関する報道が事実であれば、テザーとの関係や同社の政策決定への影響について重大な疑問が生じる」
「テザーがあなたに対し、贈賄や影響力の行使を試みていないか確認したい」

テザーと商務省はコメント要請に対し、現時点で返答していない。

民主党による暗号資産への攻勢

この書簡は、民主党が暗号資産業界との関係を批判する一環として出されたものだ。特に、トランプ大統領とその同盟者が暗号資産業界との関係を持つことで、利益相反が生じる可能性を指摘している。民主党は、トランプ政権2期目以降、暗号資産関連の法案審議の場でたびたびこの問題を取り上げている。

ルトニック氏のテザーとの関わり

ルトニック氏は長年、キャントー・フィッツジェラルド社の会長兼CEOを務めてきた。同社は米国債を大量に保有しており、テザーのステーブルコイン「USDT」の裏付け資産の管理も行っている。

また、ルトニック氏はテザーを公に擁護してきた人物でもある。2024年の世界経済フォーラム(ダボス会議)で行われたテレビインタビューでは、テザーについて「私が気に入っている会社だ。我々が調査した限り、彼らは主張通りの資金を保有している」と発言していた。

ルトニック氏は2025年2月に商務長官に就任した際、キャントー・フィッツジェラルド社の株式保有を放棄することに同意。同年10月に株式の売却を完了した。

議員らの疑問点

ウォーレン議員とワイデン議員は、テザーの融資がルトニック氏の株式売却資金として活用された可能性や、テザーが子供たちの資産に対する権利を得た可能性についても追及している。具体的な質問は以下の通りだ。

  • テザーの融資がキャントー・フィッツジェラルド社の株式売却資金となったか
  • ルトニック氏が融資の獲得に関与したか
  • 融資の規模や条件
  • 商務長官就任後のテザーや同社幹部との接触の有無
出典: DL News