米国、4年ぶりに新規原子力発電所建設を開始
米国で原子力発電所の新規建設が相次いで始動した。テネシー州とワイオミング州で次世代原子炉の建設が開始され、原子力産業の再建が加速している。
テネシー州で次世代原子炉の建設開始
テネシー州で、次世代原子炉メーカーのKairos Powerが実証プラントの建設に着手した。同社のCEOであるMike Laufer氏は、このプロジェクトが「テスト用ではなく、42ヶ月以内に完成する送電網規模の原子炉」であると強調した。
ワイオミング州でも建設が進行中
米Microsoft創業者のビル・ゲイツ氏が設立したTerraPowerも、ワイオミング州で初の商用原子力発電所の建設を開始した。同社のCEO、Chris Levesque氏は「これは送電網規模の原子炉であり、42ヶ月で完成させる」と述べた。
中国に遅れる米国の原子力産業
米国は原子力発電所の建設で中国に大きく遅れをとっている。中国は現在、世界で最も多くの原子炉を建設中であり、米国はその差を埋めるために産業再編を進めている。
カリフォルニア州の原子力発電所延命も検討
カリフォルニア州では、新規原子炉の建設が禁止されているが、州の最後の原子力発電所であるディアブロキャニオンの運転を2030年から2045年まで延長することで、76億ドル以上のコスト削減が可能になるとMITの研究チームが発表した。この延命により、年間5億ドル以上の節約が見込まれている。
米エネルギー省、核燃料不足解消に向け産業再編を加速
米エネルギー省は、核燃料不足解消に向け、90社以上の企業と提携し、核燃料サイクル・コンソーシアムを設立した。この取り組みは、ロシアからの核燃料輸入が2028年に全面禁止されることを受けた対策の一環だ。
エネルギー省は、韓国戦争時代の法律である防衛生産法を活用し、核燃料の供給網強化を図る。これにより、米国の核燃料自給率向上と産業基盤の強化が期待されている。
今後の展望
米国の原子力産業は、次世代原子炉の建設と核燃料の自給体制の確立を通じて、再び世界をリードする存在を目指している。しかし、中国やロシアとの競争は激化しており、産業再編のスピードが鍵を握る。