BNPL滞納率が50%に迫る、家計の資金繰り悪化

米国のオンライン金融サービス大手「レンディングツリー」が発表した最新調査によると、米国の家計の約半数が利用する「BNPL(Buy Now, Pay Later:後払い決済)」の滞納率が過去1年で50%近くに達した。これは前年の41%から大幅に悪化しており、家計の資金繰りが厳しさを増していることを示す警告サインとなっている。

クレジットカードや学生ローンでも返済遅延が拡大

BNPLにとどまらず、他の債務でも返済遅延が目立っている。センチュリーファウンデーションの調査では、クレジットカード保有者の半数が毎月の支払いができず、総額1兆ドルの未払い残高を抱えていることが判明した。また、FICOスコアの報告によれば、バイデン政権下で実施された学生ローン返済猶予が終了して2年が経過した昨年10月時点で、11%の借り手が3ヶ月以上の滞納に陥っていた。

自動車ローンや住宅ローンでも同様の傾向が見られ、コロナ禍の支援策終了後、返済の遅れが目立っている。マイク・ピアース(センチュリーファウンデーション共同執筆者、保護団体「プロテクトボロワーズ」代表)は、「家計の財務状況は非常に脆弱で、安全網がない状態だ」と述べ、データが示すように、家計の債務負担がかつてないほど重くなっていると指摘する。

物価高と金利上昇が家計を圧迫

こうした債務問題の根本的な原因は、物価と金利の高止まりにある。ピアース氏は「モノの値段が高すぎる。かつては現金で支払っていた日用品の購入にまで借金を使わざるを得ない状況だ」と語り、これが他の消費者金融にも悪影響を及ぼしていると分析する。

特に住宅と自動車は生活必需品であり、多くの家庭が購入を避けられない。しかし、新車の平均価格は5万ドルに達し、月々のローン返済額は約775ドルに上る。このため、中古車の需要が増加しているが、中古車価格も2023年夏以来の高値を更新している。生活必需品の価格上昇に対応するため、家計はクレジットカードやBNPLに依存せざるを得ない状況だ。

経済全体への影響と今後の見通し

家計が住宅ローンや自動車ローンの返済を優先する一方で、日用品の値上がりに対応するためにクレジットカードやBNPLを利用するケースが増加。その結果、家計の予算は崩壊寸前の状態にある。米国経済全体にとっても、こうした家計の債務問題は深刻なリスク要因となっている。

専門家らは、物価高と金利上昇が続けば、家計の債務負担はさらに悪化し、経済成長の足かせとなる可能性があると警鐘を鳴らす。特に、トランプ政権下での経済政策が家計の負担をさらに増大させる懸念も指摘されている。

「家計の財務状況はかつてないほど脆弱で、安全網がなくなっている。データが示すように、家計はかつて経験したことのないほどの債務負担に直面している」
— マイク・ピアース(センチュリーファウンデーション共同執筆者)