米空軍がA-10の退役延期を発表

米空軍は2026年4月、A-10「ウォーターホッグ」(サンダーボルトII)の運用延長を発表した。空軍長官トロイ・メインク氏はX(旧Twitter)で、3個のA-10飛行隊を少なくとも2029年まで運用すると明言。さらに、2030年までの延長も決定された。

「防衛産業基盤の戦力増強を支援するため、A-10の運用を2030年まで延長する」とメインク氏は述べた。この決定は、代替機の開発遅延や即応戦力の維持を目的としている。

当初の計画と変更点

米空軍は当初、2026年度までにA-10全機を退役させる予定だった。しかし、実戦運用の必要性や後継機の不足から、計画は大幅に変更された。

  • ジョージア州ムーディ空軍基地:2個の飛行隊を2030年まで運用(現役)
  • ミズーリ州ホワイトマン空軍基地:1個の飛行隊を2029年まで運用(予備役)

空軍は、この措置はあくまで一時的な延長であり、A-10の完全な継続運用を保証するものではないとしている。

なぜA-10の延長が決まったのか?

米空軍は具体的な理由を明らかにしていないが、実戦での有効性が評価されたとみられる。A-10は低速・低高度を飛行するため、地上からの攻撃に対して脆弱だが、その一方で、地上や海上の低速目標に対する攻撃に優れている。

特に、2026年4月初旬の「デュード44」救出作戦では、A-10が地上火器による被弾で1機が失われたものの、その低速性と滞空能力が、迅速な対応と精密攻撃に貢献したとされる。

議会の圧力と今後の見通し

議会はA-10の継続運用を強く求めており、現在の国防授権法(NDAA)では、少なくとも103機のA-10を運用可能な状態で維持することが義務付けられている。

しかし、後継機のF-35や他の戦闘機がA-10の役割を完全に代替できるかは不透明だ。今後も議会や軍の判断によって、A-10の運用期間はさらに延長される可能性がある。

「A-10は、迅速な戦力投入と持続的な地上支援が求められる状況で、依然として重要な役割を果たしている」
米軍関係者のコメント

まとめ:A-10の今後

米空軍はA-10の退役を当面見送る方針だが、完全な継続運用は保証されていない。今後、防衛産業の生産能力や後継機の開発状況、議会の動向によって、A-10の運命は再び変わる可能性がある。