米国で2013年から2022年まで販売されたシボレー・スパークは、その名前に反して「スパーク」と呼べるほどの魅力に欠けるモデルだった。特にガソリン車のエンジンは、98馬力・94lb-ftという控えめなスペックで、存在感は薄かった。しかし、このエンジンがUTV「ポラリス・レンジャー」に搭載されたことで、その評価は一変した。

米国のカスタムショップ「Mad Goat Customs」は、顧客の依頼でスパークの1.4L直列4気筒エンジンをポラリス・レンジャーに移植。その様子をYouTubeで公開した。エンジンの小型・軽量さが、UTVへの搭載を容易にしたという。

エンジンの搭載方法と改造点:

  • スパークのエンジンは、前輪駆動車と同様に横置きで搭載されていたが、今回は縦置きに改造。元のトランスアクスルの出力シャフトを前後差動装置に接続し、ギア比は前3.84、後3.70に設定。
  • 後部差動装置は逆向きに取り付けられ、正しい回転方向を確保。トランスアクスル自体も純正ではなく、サーブ9-5ターボのAW50-42LE 4速ATを流用。ステアリングパドルでシフト可能な仕様に改造。
  • フレームは7インチ延長され、レンジャー・ディーゼルHSTの荷台を追加して全長を調整。エンジンとトランスミッションのクリアランスを確保するため、フレームの一部を拡幅。

エンジンの制御システムも大幅に見直された。純正ECUをArduinoコントローラーとCANバスに置き換え、手動トランスミッション用のソフトウェアを導入。出力を抑えて耐久性を向上させつつ、4速ギアで一日中走行できるほどのパワーを確保したという。

このエンジンスワップは、一見地味な改造に思えるが、実用性とパフォーマンスのバランスが取れたユニークな事例だ。スパークのエンジンが、UTVのパワーユニットとして活躍する姿は、まさに「意外な組み合わせ」の醍醐味と言えるだろう。

出典: The Drive