欧州自動車市場で価格競争が激化する中、ステランティスと中国のEVメーカー・リーアップモーターは、新たな戦略を発表した。リーアップモーターの新型EV「B05」が、イタリアで26,900ユーロ(約315万円)から発売される。同車はスペイン・サラゴサのステランティス工場で生産され、EUの中国製EV関税を回避する仕組みとなっている。
欧州市場における価格競争力
リーアップモーターB05は、イタリア市場で税控除前26,900ユーロから販売され、現地インセンティブ適用前の価格としては、欧州で最も安価な新車EVの一つとなる。同車は、VW ID.3(イタリア価格:36,500ユーロ)より9,600ユーロ、ルノー・メガーヌEテック(同:38,350ユーロ)より11,450ユーロ、ステランティス傘下のプジョーE-308(同:39,980ユーロ)より13,080ユーロも安い。
また、リーアップモーターB05は、かつて欧州で販売されていたMG4よりも安価な価格帯を実現。ステランティスは、リーアップモーターとの提携を活かし、欧州市場における価格競争力を強化している。
技術仕様とパフォーマンス
リーアップモーターB05は、全長4,430mmのコンパクトハッチバックで、リーアップモーターの「LEAP 3.0」プラットフォームとセル・トゥ・シャーシ(CTC)技術を採用。バッテリーを車体構造に統合することで剛性を向上させ、50:50の重量配分を実現した。サスペンションはステランティスのグローバルエンジニアリングチームと共同でチューニングされている。
バッテリーはLFP(リン酸鉄リチウム)を採用し、56.2kWhの「Pro」と67.1kWhの「Pro Max」の2種類を用意。WLTP測定値でそれぞれ401km、482kmの航続距離を実現する。DC高速充電は最大174kWに対応し、30%から80%までの充電をわずか17分で完了できる。
駆動系は後輪駆動で、215馬力(160kW)、240Nmのトルクを発生。今後発売予定の「B05 Ultra」では、出力が241馬力(180kW)に向上し、サスペンションの低下、太いアンチロールバー、強化ブレーキ、アグレッシブなボディキット、パフォーマンスタイヤを装備する予定だ。
充実した装備と今後の展望
リーアップモーターB05は、エントリーモデルの「Life」グレードでも、14.6インチタッチスクリーン、8.8インチデジタルメーター、AI音声アシスタント(顔認証機能付き)、デュアルゾーンクライメートコントロール、360度カメラ、パノラマガラスルーフ、フルADASスイートなど、充実した装備を標準装備する。
ステランティスは今後、リーアップモーターB05の「Ultra」バージョンを発売し、さらに高性能な「GTI」モデルの投入も計画している。欧州市場におけるEV価格競争は、ますます激しさを増しており、リーアップモーターB05の登場はその象徴的な一例と言えるだろう。