フェラーリが初の電気自動車(EV)となる「ルーチェ(Luce)」を発表する中、その価格が65万ドル(約64万5千ドル)を超える可能性が浮上している。同車は、テスタロッサや12気筒モデルをも上回る価格帯となる見込みだ。
欧州市場におけるルーチェの価格は、複数の関係者によると55万ユーロ(約64万5千ドル)からスタートすると報じられている。参考までに、フェラーリのSUV「プウロサングエ」の欧州価格は40万ユーロ(約47万ドル)前後だが、人気により中古車価格は60万ユーロ(約70万4千ドル)を超えるケースもある。
Bloombergによると、最終価格は55万ユーロを基準に10%の上下調整が可能とされており、この価格帯であればフェラーリの量産モデルとしては「F80」に次ぐ2番目に高価なモデルとなる。しかし、この高額な価格設定は、EVの購入意欲を抑制する可能性があると指摘されている。
特に、フェラーリの顧客層は従来のV12エンジン搭載モデルに慣れており、重量級のバッテリーと電動機を搭載したルーチェに対して抵抗感を抱くかもしれない。実用性ではルーチェと同等のプウロサングエがV12エンジンでより安価に提供されている現状では、顧客が combustion(内燃機関)モデルに流れる可能性も否定できない。
とはいえ、フェラーリの顧客層は経済的に余裕がある層が多く、価格にこだわらず購入を検討するケースも多いとされる。ルーチェは、ポルシェのEVをはるかに上回る価格となるだけでなく、ロールス・ロイス「スペクター」をも上回る可能性があり、市場で最も高価なEVの一つとなる見込みだ。
ルーチェのスペックとパフォーマンス
ルーチェの詳細なスペックは、来月行われる発表まで明らかにされないが、既に以下の主要な技術仕様が明らかになっている。
- 四電動機システム:総出力986馬力以上を発揮
- バッテリー容量:122kWh
- 充電性能:最大350kWの急速充電に対応
- 航続距離:530km以上(WLTP基準)
フェラーリは、EV市場の競争激化と中国メーカーの台頭という厳しい環境下でルーチェを発売する。同社にとってEV市場への参入は大きな賭けとなるが、同時に顧客層の拡大や技術革新の機会ともなり得る。ルーチェの発売は、フェラーリの未来を占う重要なマイルストーンとなるだろう。