ヘンネシー・パフォーマンス・エンジニアリング(Hennessey Performance Engineering)は2024年、次世代スーパーカー「デーモン1700」を初めて公開した。その後、エンジンベンチテストを経て、このたび完成したモデルがローラーダイナモテストでその実力を証明した。

「デーモン1700」の核心:リアタイヤで1,355馬力を発生

2022年にデビューしたDodge Challenger SRT デーモン170をベースに、ヘンネシーはさらに過激な「デーモン1700」を開発。その名称はクランク出力1,700馬力(1,268kW)に由来する。2年に及ぶ開発の末、ついに完成したこの車両は、ナンバープレートを持つ車両としては世界最強のパフォーマンスを誇る。

ヘンネシーのチーフ・パワートレイン技術スペシャリスト、ジェイソン・ヘインズ(Jason Haynes)氏は、今回のローラーダイナモテストで明らかになった性能について解説。エンジンベンチテストでは1,700馬力を確認していたが、今回のシャーシダイナモテストにより、リアタイヤで計測される実際の出力が明らかになった。

その結果、リアタイヤ出力で1,355馬力(1,010kW)と1,202 lb-ft(1,630Nm)のトルクを記録。これは、エンジン出力ではなくタイヤ出力で測定された数値である点が重要だ。

Bugatti Chironを圧倒するトルク性能

比較対象として、Bugatti Chironの公称スペックを見てみよう。Chironは工場出荷状態で、クランク出力1,479馬力(1,500PS / 1,103kW)1,180 lb-ft(1,600Nm)のトルクを発生する。しかし、これはエンジン本体の出力であり、実際のタイヤ出力ではない。

ヘンネシーの主張によれば、デーモン1700のリアタイヤ出力は、Chironのエンジン出力を上回るトルクを実現しているという。これは、路上走行可能な市販車としては驚異的な数値だ。

デーモン1700の技術的特徴

この驚異的なパフォーマンスを実現するため、デーモン1700には以下のような大規模なアップグレードが施されている。

  • ターボチャージャー:Precision PT6870ツインターボ(2基)
  • インジェクター:大容量の新型インジェクター
  • ターボ関連パーツ:ビレット製ターボウェイストゲート、ブローオフバルブ
  • 排気系:高流量ステンレス製エキゾーストシステム
  • 吸気系:ツインインターコールドビレットインテークシステム
  • オイル供給:ターボ専用のオイルフィード&ドレインシステム
  • ブースト圧:最大23 psi(E85燃料使用時)

これらの改造により、デーモン1700は市販車ながらレーストラックを圧倒する性能を手に入れた。

未知数の0-400mタイム:目標は7.9秒

ヘンネシーは2024年の発表当初から、デーモン1700が0-400m(クォーターマイル)を7.9秒以内で走破することを目標として掲げていた。また、その際の到達速度は時速175~180マイル(281~289km/h)とされていた。

現時点では、完成したデーモン1700がこの目標を達成したかどうかは明らかにされていない。しかし、ヘンネシーの実績を考えれば、達成した場合はすぐに動画で公開されることが予想される。

「デーモン1700は、ナンバープレートを持つ車両としては世界最強のパフォーマンスを目指して開発されました。リアタイヤ出力で1,355馬力を達成した今、その目標は現実のものとなりつつあります」
— ジェイソン・ヘインズ(ヘンネシー・パフォーマンス)

今後の展望:市販化への道のり

ヘンネシーは現在、デーモン1700の市販化に向けた最終調整を行っている。E85燃料と高ブースト圧を必要とするこの車両は、一般ユーザーにとってはハードルが高いが、その分、並外れたパフォーマンスを楽しむことができる。

ヘンネシー・パフォーマンスの今後の発表に注目が集まる。

出典: CarScoops