米フロリダ州中部地区連邦地方裁判所のジェームズ・S・ムーディーJr.判事は12月18日、右派活動家ローラ・ルーマーによるビル・マーハーとHBOを相手取った名誉毀損訴訟を却下する判決を下した。

ルーマーは2024年9月13日放送の「リアル・タイム・ウィズ・ビル・マーハー」で、マーハーが自身を「トランプとの不倫関係にある」と示唆する発言をしたとして、名誉毀損を主張。しかし裁判所は、マーハーの発言は「ジョーク」であり、事実に基づく主張ではないと結論付けた。

「ジョーク」と判断された発言内容

マーハーは番組内で、ルーマーを「トランプとの政略的な関係にある」と発言した上で、過去のコーナーで取り上げた「トランプが誰と寝ているか」というお笑いのネタに関連付け、「もしかしたら彼女が答えかもしれない」と発言。ルーマーはこれを「事実無根の不倫疑惑」として提訴していた。

判決文によると、番組は政治討論と風刺が融合した構成であり、マーハーは「広く知られたコメディアン」であることから、視聴者が発言をジョークと認識していたと判断。観客の笑い声やため息といった反応も、発言がユーモアであることを裏付ける根拠となった。

公的人物の立証責任を果たせず

裁判所はさらに、ルーマーが「公的人物」に該当することから、名誉毀損の立証には「実際の悪意(actual malice)」の存在が必要だと指摘。これは発言者が「発言が虚偽であることを知っていたか、深刻な疑いを抱いていた」ことを示すものだが、判決ではその証拠が見つからなかったとした。

損害の立証も不可能に

加えて、ルーマーは発言による具体的な損害を立証できなかった。判決文によれば、発言を事実と受け取った第三者の存在や、専門家による名誉毀損の証拠、収入の減少といった損害の立証が一切なかったという。それどころか、ルーマー自身が2024年の収入が増加したと証言しており、トランプとの接触機会やホワイトハウス招待も継続していたことが明らかになった。

これを受け、判事はマーハーとHBOに対し、最終判決を下すよう命じ、訴訟を終結させた。

出典: The Wrap