米国のサッカーイベント「ワールドカップ」開催中に、米国移民税関執行局(ICE)が摘発活動を行う可能性が浮上している。ICEのトッド・ライアンス長官(当時)は2月に議会証言で、ワールドカップのセキュリティ対策におけるICEの「重要な役割」を強調したが、その一方で実施の是非には疑問も呈されている。
過去のICEによる高プロファイルな摘発は、政治的な反発を招いた経緯がある。特にトランプ政権初期の摘発では、米国市民2人が死亡する事態が発生。当時の国土安全保障長官クリスティ・ノーム氏が更迭され、国境警備の責任者グレッグ・ボビーノ氏も引退に追い込まれた。政権はその後、低プロファイルな戦略へと転換した。実際、ICEは昨年のスーパーボウルでも摘発を行わなかった。
摘発の可能性は「中間的」か?
しかし、今回のワールドカップでは、摘発が「中間的な形」で行われる可能性が指摘されている。複数の移民政策関係者やテキサス州の関係者によると、ICEがスタジアム周辺に検問所を設置する可能性は低いものの、別の形での摘発が行われる可能性があるという。
具体的には、スタジアムへの入場前や退場後の摘発、あるいは関係者の自宅や職場での摘発などが想定される。これらの摘発は、政治的な反発を最小限に抑えつつ、移民政策の存在感を示す狙いがあるとみられている。
政治的な影響を考慮した戦略
ICEの摘発がワールドカップ期間中に行われる場合、その規模や方法は、政治的な影響を最小限に抑えるために慎重に計画される可能性が高い。特に、米国市民や合法的な滞在者が巻き込まれる事態は、政権にとって大きなリスクとなるためだ。
一方で、移民政策を重視する共和党の支持者からは、ワールドカップ期間中の摘発を求める声もある。これは、米国の移民政策の厳格さをアピールする機会と捉えられているためだ。
「ワールドカップは世界的な注目を集めるイベント。ICEの摘発が行われれば、その影響は計り知れない。しかし、政権は慎重に対応するだろう。」
(移民政策専門家のコメント)