米テネシー州中部地区連邦地裁のウェイバリー・クレンズハウ判事は12日、ヴァンダービルト大学の学生である「ポー」氏(仮名)が、同大学の学生「ロー」氏(仮名)に対する虚偽の性的暴行告発をソーシャルメディアで行ったとして停学処分を受けた件について、その処分の正当性を問う訴訟を審理することを認めた。

判決文によると、ポー氏はYik Yakという匿名投稿アプリを通じて、ロー氏が「レイプ魔」であると投稿。さらに「今年の秋、ロー氏から roofie(睡眠薬入りの飲み物)を飲まされたが、証拠が不十分だった。ロー氏の所属するフラタニティのメンバーに話すと、彼らは私を否定しようとした」といった内容を投稿していた。これらの投稿は、他のヴァンダービルト大学の学生からも同様の告発が相次いだ。

ヴァンダービルト大学はこの問題を受け、学生責任部門の責任者であるブールゴワン氏がポー氏を停学処分とし、大学の規則に違反したとして「無秩序行為」「嫌がらせ」「大学関係者のなりすまし」の3つの容疑で disciplinary case(懲戒手続き)を開始した。その後、ポー氏の控訴は大学の審査委員会によって却下され、1年の停学処分が確定。ポー氏はこの処分を受けて自殺未遂に至ったという。

大学側の対応に問題があったと判断

ポー氏は大学を相手取り、処分の報告方法に問題があったとして訴訟を起こした。判決文では、大学側がポー氏の精神的健康リスクを認識していたにもかかわらず、適切な配慮を行わなかったと指摘されている。

具体的には、ポー氏の母親が大学側に対し、ポー氏の自殺リスクを考慮して処分発表の延期を要請していたにもかかわらず、大学側はこれを拒否。代わりに、母親の同席を条件に処分発表を行うという計画を立てていた。しかし、実際の発表当日に母親が同席していないことが判明し、大学側はそのまま処分を発表した。この対応について、判事は大学側の判断に重大な問題があったと結論付けた。

判決文では、大学側がポー氏の精神的健康リスクを「中程度から高い」と評価していたにもかかわらず、母親の要請を無視して処分を発表したことが、ポー氏の自殺未遂につながった可能性があると指摘されている。

今後の展開に注目

今回の判決により、ポー氏の訴訟は審理に進むことが認められた。今後、大学側の責任や処分の正当性について、さらなる審理が行われる見込みだ。また、この判決は、大学が学生の精神的健康リスクをどのように考慮すべきかについても重要な示唆を与えるものとなるだろう。

出典: Reason