米国防総省は、名称を「戦争省(Department of War)」に変更する法制化を議会に正式に要請した。同省は、名称変更が将来の支出に「重大な影響を与えない」と主張する一方で、既に5000万ドル以上を新名称の導入に費やしていたことが明らかになった。
このうち約4460万ドルは、基幹システムやインフラ、管理支援体制の刷新に充てられたという。米軍事専門誌Inside Defenseが8日に報じた。
しかし、この費用は無駄になる可能性がある。ドナルド・トランプ前大統領が2024年9月に大統領令で名称変更を発表したものの、法的な改称には議会の承認が必要であり、現時点では名称変更は実現していないためだ。
総額1億2500万ドル超の可能性も
議会予算局(CBO)は今年1月、名称変更の実施方法によって総額が大きく変動するとの試算を発表した。最小限の導入で数百万ドル、全省庁で広範かつ迅速に実施すれば1億2500万ドルに達する可能性があるとした。さらに、法令による改称では「議会と防衛省の実施方法次第で数億ドルに上る可能性がある」と指摘した。
トランプ政権の「象徴的改革」は高コスト
トランプ前大統領は選挙戦で政府支出の大幅削減を公約していたが、その象徴的な改革の多くは裏で高額な費用を伴っている。今週、共和党議員らは4億ドルの予算を計上し、ホワイトハウス内に新たな舞踏ホールを建設する計画を推進している。サウスカロライナ州のリンジー・グラム上院議員らが主導するこの動きは、9万平方フィートのホールと地下軍事複合施設の建設を「国家安全保障上の緊急課題」と主張している。
共和党は、ホワイトハウス記者協会晩餐会で発生した暗殺未遂事件を根拠に挙げているが、同様のセキュリティ体制を敷いていた秘密捜査官がなぜ防止できなかったのか、具体的な説明はない。
「名称変更は象徴的な改革に過ぎないが、その実施には膨大なコストがかかる。議会は慎重な検討が求められる。」
— 米軍事アナリスト