日産自動車の経営陣が、大規模な再建計画を急ピッチで進めている。就任から1年余りとなる新CEO、イヴァン・エスピノサ氏は2月に「日産は戻ってきた」と enthusiast(自動車愛好家)に向けて宣言した。しかし、多くの関係者が懐疑的な目を向ける中、同社の幹部陣に自動車愛好家が名を連ねることで、予想外の復活を遂げる可能性が出てきた。

横浜市で開催された取材にて、日産北米担当の上級副社長兼最高企画責任者、ポンツ・パンディクシラ氏は、自動車専門メディア「The Drive」の番組「The Drivecast」で、Z車の将来的なパフォーマンス向上について言及した。同氏は「Zのツインターボエンジンは、現在の排出ガス規制に適合しつつ、さらに高い出力を引き出すことが可能だ」と述べた。また、限定モデルや特別仕様車の発売も計画していると明かした。

さらにパンディクシラ氏は、Z車に搭載されるVR30DTT型3.0リッターV6ツインターボエンジンについて、標準モデルで400馬力、Nismoモデルで420馬力に抑えられたチューニングが施されていると説明。その一方で、多くのチューナーや愛好家が、このエンジンを500馬力以上にチューニングしても問題なく動作すると指摘した。

Z車の新たな顧客層:かつての憧れが支える販売好調

Z車は現在、予想外のヒットを記録している。その立役者は、意外な顧客層だった。パンディクシラ氏はニューヨーク国際オートショー2026にて、Z車の購買層について「かつてティーンエイジャーや20代だった頃にこの車に憧れていた人が多く、当時は手が届かなかった。その後、車の方向性が迷走し、愛好家たちの心を掴めなかった時期もあったが、今回のZ車は彼らの心を再び掴んだ」と語った。

現在のZ車の購入層は、退職後の記念車や象徴的な1台として購入する人が多いという。特にNismoモデルは、サーキット走行を楽しむ層に人気だ。パンディクシラ氏は「彼らはかつての憧れを叶えるために、この車を購入する。マホガニーレッドやブリティッシュレーシンググリーン、ベージュの内装、マニュアルトランスミッションなど、細部までこだわって注文する。通勤で使う車ではないため、3〜6ヶ月の納期を待てる」と説明した。

このような顧客層の存在が、日産にとって限定モデルや特別仕様車の投入を後押ししている。同社は今後、Z車のパフォーマンス向上と並行して、限定モデルの拡充を進める方針だ。

出典: The Drive