米国最高裁判所は6月、今期の最後の審議を終えた。判事たちは夏休みに入る前に、残りの判決文を執筆する作業に追われている。今期の注目案件は、民主主義のあり方とトランプ前大統領の権限拡大の2点に集約される。
選挙制度を巡る判決
6月26日、最高裁はルイジアナ州の選挙区割りを巡る「ルイジアナ州 v. カレイス」判決で、投票権法の規定を事実上骨抜きにする判断を示した。これにより、南部の赤州が選挙区を再編した際、有権者の人種バランスが崩れ、民主党系の有色議員議席が白人共和党議員に奪われる可能性が高まっている。
さらに、共和党全国委員会(NRSC)が選挙資金規制の緩和を求める訴訟も控える。現行法では、政党組織への寄付は候補者個人への寄付よりも大幅に上限が緩和されている。NRSC勝訴となれば、富裕層による選挙への影響力がさらに強まることが懸念される。
トランプ前大統領の権限拡大を巡る案件
最高裁は、トランプ前大統領が連邦機関の長を自由に解任できる「単一行政府理論」を支持する判断を示す可能性が高い。一方で、米国市民権の剥奪を巡る主張については、共和党多数の判事で構成される最高裁がこれを退ける見通しだ。
文化戦争の争点:銃規制とLGBTQ権利
今期は銃規制とLGBTQ権利も重要な争点だ。最高裁は、第2修正(武器所持権)を広く解釈する判決を示す可能性が高く、銃規制推進派にとっては厳しい展開となりそうだ。また、トランスジェンダーの学生アスリートを巡る判決では、学校側の規制を支持する方向で判断される可能性が指摘されている。
今後のスケジュール
最高裁は7月初旬に夏休みに入る。残りの判決は6月中に相次いで発表される見通しで、特に選挙制度と大統領権限に関わる案件が注目を集める。
出典:
Vox