米司法省は10月23日、ノースカロライナ州アレクサンダー在住のカイル・アンドリュー・エドワーズ容疑者(59)が、連邦裁判所で「ドクシング(個人情報の無断公開)」容疑により有罪を認めたことを発表した。

エドワーズ容疑者は、2025年4月から6月にかけて、自身の公開SNSアカウントを通じて、特定の最高裁判事に対する批判的なコメントを頻繁に投稿していた。その中には、暴力的な内容や他ユーザーの脅迫的な発言に対する反応も含まれていた。

具体的には、2025年6月27日に「最高裁は破壊されなければならない」と発言し、2日後の6月29日には特定の判事に対し「防弾ローブを買うべきだ」と投稿していた。さらに、2025年4月8日には、自身のSNSアカウントで、ある最高裁判事の正確な自宅住所を公開したほか、他の2人の判事についても過去の住所や近隣情報を投稿していた。

この日の投稿と同時に、エドワーズ容疑者は他の判事に対する脅迫的な発言も行っていた。例えば、ある判事の自宅住所がネット上で公開されていない理由について「暗殺を防ぐため」と発言し、判事らの家族の安全について「再考すべきだ」と主張していた。また、他のユーザーに対し「判事らをローブで引きずり出せ」や「焼き尽くせ」などの過激なメッセージを投稿していた。

エドワーズ容疑者は、これらの発言を自身のSNSアカウントや、同様の脅迫的な発言を行う他のユーザーとの会話の中で公開していた。

法的背景と憲法上の論点

政府高官の自宅住所を公開すること自体の合法性については、法的な解釈が分かれている。例えば、ニュージャージー州ニューアーク市を巡る「Kratovil v. City of New Brunswick(2025年)」とカリフォルニア州中部地区の「Publius v. Boyer-Vine(2017年)」では相反する判決が出ている。しかし、連邦法では、特定の個人情報を「暴力犯罪を扇動・脅迫する意図」で公開した場合に限り、規制の対象となる。

具体的には、連邦法は以下の行為を禁じている。

  • 対象者またはその家族に対する暴力犯罪を扇動・脅迫する意図で個人情報を公開すること
  • 公開された個人情報が暴力犯罪の実行に利用されることを認識・意図していた場合

このような規制は、表現の自由(修正第1条)の例外に該当すると解釈される可能性が高い。すなわち、脅迫・扇動・教唆に該当する場合に限り、規制が正当化されるという立場である。

出典: Reason