ルイジアナ州ではこの48時間で立て続けに重要な法的・政治的動きがあった。水曜日には連邦最高裁がCallais事件の判決を下し、翌日には州知事が選挙区割り見直しのために予定されていた予備選挙の中止を発表した。さらに、Callais判決の発行に関する訴訟も連邦最高裁で審理中であり、知事は選挙中止の差し止めを求める訴訟で提訴されたばかりだ。
そして今日、第5巡回区控訴裁判所のパネルが、2023年に承認されたミフェプリストンの遠隔処方規制に対するルイジアナ州の異議申し立てに対し、一時差し止め命令を発令した。Alliance for Hippocratic Medicine事件が終わったと思っていたのであれば、第5巡回区の動向を十分に注視していなかったことになる。
以下は、判事Kyle Duncanが執筆したパネル意見書の冒頭部分である。
背景と経緯
ドブス判決(Dobbs v. Jackson Women's Health Organization)により、連邦最高裁は妊娠中絶規制を州に委ねる判断を下した。これを受け、バイデン政権は連邦機関に対し、「薬物による妊娠中絶アクセスの拡大」を指示した(大統領令第14076号、2022年7月8日)。
翌年には、FDA(米食品医薬品局)がミフェプリストンの安全ガイドラインを正式に変更。これにより、医師による対面診察なしでオンライン処方が可能となり、郵送で薬を受け取れるようになった。
ルイジアナ州の主張とFDAの対応
2025年、ルイジアナ州は行政手続法(APA)に基づき、FDAの新規制に対して連邦裁判所に異議を申し立てた。主な主張は以下の通りである。
- FDAが遠隔処方の安全性を裏付けるデータが不十分または存在しない
- 新規制によりルイジアナ州で多数の違法な妊娠中絶が発生
- ミフェプリストンの副作用で被害を受けた女性へのメディケイド支払いが州の財政負担となっている
ルイジアナ州は訴訟中の規制差し止めを求めたが、FDAは包括的な再検討を行っている最中であり、完了時期は未定でデータ収集中であると主張した。
裁判所の判断と今後の展望
地区裁判所はルイジアナ州の主張が「勝訴の見込みが高い」と認めたものの、衡平法上の救済と公益のバランスを理由に差し止めを認めなかった。ルイジアナ州は控訴裁判所に上訴し、審理中の差し止めを求めた。
第5巡回区控訴裁判所は、ルイジアナ州の主張を認め、規制の差し止めを命じた。この決定により、ミフェプリストンの処方には今後、対面での医師評価が必要となる。ただし、この差し止めによりミフェプリストンが市場から排除されるわけではない。
判決文の中で、Duncan判事は「この事案は早急に連邦最高裁に上告されるべきだ」と述べた。また、ドブス判決後の全米の妊娠中絶件数増加の一因が、遠隔処方規制にあると指摘した。
特に、青い州の医師がルイジアナ州やテキサス州などの赤い州に対し、州の「シールド法」によって保護されながら薬を郵送している現状が問題視されている。対面診察の義務化により、こうした遠隔処方が困難になる可能性がある。