ゼネラルモーターズ(GM)は、同社の主力車種に搭載された10速AT(自動変速機)の不具合を巡り、新たな集団訴訟に直面している。被害者らは、走行中に突然出力が停止するなどの重大な安全性問題を指摘。GMはこれまで複数のリコールや技術サービス通達を発行してきたが、根本的な解決には至っていない。

今回の訴訟は、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所に提起された。原告3名は、10速ATの不具合が単発的な問題ではなく、パターン化した深刻な安全リスクであると主張。特に、突然の出力停止は、運転者が反応する間もなく車が立ち往生する危険性があるとしている。

対象車種はGMの主力モデルに広範囲

問題の10速ATは、GMの幅広いラインナップに搭載されている。具体的には、シボレー・サバーバン、GMC・シエラ、キャデラック・CT4、CT5、CT6、シボレー・カマロなどのモデルが含まれる。これらの車種では、過去にリコールや技術サービス通達が複数回発行されてきたが、根本的な原因解決には至っていない。

例えば、2023年には、キャデラックCT4、CT5、CT6、シボレー・カマロを対象に、10速ATに起因する車輪ロックアップのリスクを理由としたリコールが実施された。しかし、原告らは、これらの措置は表面的な対応に過ぎず、依然として深刻な問題が残っていると主張している。

原因はバルブボディの摩耗や内部汚染か

今回の訴訟では、10速ATの具体的な不具合原因は特定されていないが、バルブボディの摩耗、内部の汚染、油圧圧力の不安定さなどが疑われている。これらの問題は、ソフトウェアのアップデートでは解決できないとされ、GMは依然として広範な問題の存在を公に認めていない。

原告らは、カリフォルニア州在住で、対象車種を購入またはリースした全ての消費者を代表し、修理費用の負担や、10速AT搭載車の販売差し止めを求めている。

GMにとって新たな法的リスクの波

今回の10速ATを巡る訴訟は、GMにとって新たな法的リスクの波の一つに過ぎない。過去1年間で、同社はL87型V8エンジンの欠陥に関連した複数の訴訟にも直面してきた。2023年には、5.3リットルLC9型V8エンジンに関する訴訟について、1億5,000万ドル(約220億円)の和解金を支払うことで合意したばかりだ。

GMは現在、複数のリコールや訴訟の対応に追われており、同社の信頼回復と品質管理体制の強化が求められている。

出典: CarScoops