JPMorganのアナリストは5月7日付の顧客向けレポートで、マイケル・セイラー氏が率いるStrategy社が現在の買い付けペースを維持すれば、2026年までに約300億ドル相当のビットコインを購入する可能性があると試算した。
同社は現在、平均取得コスト75,540ドルで818,869BTC(約618億6,000万ドル相当)を保有しており、株式発行による資金調達余力としてMSTR株で263億5,000万ドル、STRC優先株式で194億6,000万ドルを確保している。これにより、300億ドル規模の買い付けが実現可能とみられる。
ビットコイン需給に与える影響
JPMorganの試算によれば、Strategy社が年間300億ドルでビットコインを買い続ければ、2026年にはビットコインの年間新規発行量(164,250BTC、ハーフィング後)の約2.3倍に相当する450BTC/日の新規供給を吸収することになる。これは、ビットコインの需給構造に大きな影響を与える可能性がある。
Strategy社の買い付けメカニズムは、資本市場から資金を調達し、それをビットコインに転換する「フライホイール」で成り立っている。同社はMSTR株とSTRC優先株式を通じて資金を調達し、その資金でビットコインを購入。その後、ビットコインの保有量増加に伴い株価が上昇すると、さらなる資金調達と買い付けが可能になる仕組みだ。
STRCの役割と効果
STRC(Strategy社の優先株式)は、月次配当率を調整することで額面価格(100ドル)近傍で取引されるよう設計されている。これにより、投資家の需要が安定し、発行窓口が常に開かれる状態が維持される。
STRCが額面価格以上で取引される場合、Strategy社は追加株式を発行し、その資金でビットコインを購入する。この仕組みにより、配当需要がビットコイン需要に転換される。
K33のデータによると、STRC関連のビットコイン買い付けは、1月から3月にかけて4,467BTCから22,131BTCに、4月には46,872BTCに急増した。年間300億ドルで買い付けを続ければ、約378,000BTCを吸収する計算となり、これは年間新規発行量の約2.3倍に相当する。
ETFとの比較と市場への影響
米国のスポットビットコインETFは、これまでに合計約133万BTCを保有しており、Strategy社が年間300億ドルで買い付けた場合、ETFの累積純流入額(591億8,000万ドル)の約51%に相当する。Strategy社の保有量818,869BTCは、米国のスポットETF保有量の約62%に匹敵し、ETFと並ぶ新たな需要チャネルとして機能している。
Strategy社は、平均取得コストが現在のビットコイン価格(約79,373ドル)より5.1%低い75,540ドルであることから、市場のボラティリティを活かした買い下がり戦略を採用している。残存するMSTRとSTRCの発行余力458億1,000万ドルを活用すれば、年間を通じて1日あたり1,036BTCを買い続けることが可能で、これはビットコインの新規供給量の2倍以上に相当する。
4月には、STRCが額面価格以上で取引されたことで、ETFの流入が鈍る中、Strategy社は46,872BTCの買い付けを実施。多様な機関投資家の需要が低迷する局面で、安定的な需要を提供した。
シティグループは、ビットコインの12カ月先の価格見通しを引き上げるなど、機関投資家の間でビットコインへの関心が高まっている。