米Yelpは、AI技術を活用した新たな検索・予約機能を導入し、ユーザーが美容室、医療機関、フードデリバリーなどのローカルサービスをYelp上で直接予約・注文できるようになったと発表した。
同社は、DoorDash(フードデリバリー)、Zocdoc(医療予約)、Vagaro(美容・フィットネス予約)などのサービスとの統合を進め、YelpのリストやAIアシスタント「Yelp Assistant」を通じて、ユーザーがサービスの予約や注文を完結できる環境を整えた。
AIアシスタントがローカルサービス検索を変革
Yelp Assistantは、アプリ内に新たなタブとして追加され、ユーザーがローカルビジネスに関する質問に回答し、サービスの予約まで行えるようになった。同社のSVP(製品担当)であるAkhil Kuduvalli Ramesh氏は、「Yelpをレビューを読む場所から、質問に答え、アクションを完了する場所へと再定義したい」と述べている。
同社が実施したデモでは、Yelp Assistantがユーザーのニーズに応じたビジネスを特定する様子が示された。例えば、犬の散歩に適した公園やデートにぴったりのレストランを検索すると、AIが各結果のマッチ度を説明し、レビューや企業ウェブサイトから関連情報を引用して提示する。さらに、フォローアップの質問にも対応し、例えば「そのレストランの駐車場は?」「ベジタリアンメニューはある?」といった問い合わせにも回答する。
レビューとAIの融合が信頼性を高める
Kuduvalli氏は、「AIが提供する答えには必ずナレーションがついており、透明性と信頼性を高めることで、ユーザーに安心感を与える」と説明する。同社の調査によると、米国人の65%が過去6ヶ月以内にAI検索ツールを利用しているが、そのうち63%はAIの回答を他の情報源(レビュープラットフォームやニュースサイトなど)で二次確認しているという。特にローカルビジネスの場合、営業時間やサービス内容の正確性が重視されるため、レビューとAIの組み合わせが信頼性の向上に寄与すると期待されている。
収益構造の変化と競争激化
Yelpの2023年の純売上高は前年比4%増の14億6,000万ドル(約2,150億円)に達し、純利益は1億4,600万ドル(約215億円)を記録した。売上の大部分はサービス業向け広告によるもので、昨年は9億4,800万ドル(約1,400億円)を占めた。一方で、レストラン・小売部門は4億4,400万ドル(約650億円)にとどまった。
しかし、同社はTikTokやInstagramのインフルエンサーからの情報や、AI検索ツールの台頭といった新たな競争に直面している。こうした状況下で、Yelpはレビューやビジネス情報の豊富さを強みとし、ユーザーにとって信頼できるプラットフォームであり続けることを目指している。