2025年の販売不振から一転、2026年に入ってスバルの業績が回復の兆しを見せている。小型日本メーカーの同社は、2025年の販売不振(特に愛好家層からの支持低下)から脱却し、2026年に入っても悪天候や在庫不足の影響を受けながらも、徐々に販売が持ち直しつつある。
スバルにとって朗報なのは、販売の勢いが再び上向き始めていることだ。過去18カ月間は同社にとって厳しい期間だった。2024年11月にトランプ前大統領が再選された直後、スバルはアウトバックの新型モデル投入を控えており、フォレスターの改良モデルを発表したばかりだった。関税引き上げのリスクが高まる中、スバルはフォレスターの生産をインディアナ州に移管し、利益率の低いコンパクトSUVの生産を維持した。一方で、より利益率の高いミッドサイズSUVのアウトバックは日本での生産に切り替えられた。高価格帯の同車であれば関税の影響を吸収しやすいためだ。この戦略により、アウトバックの廉価版モデルが廃止されたほか、2025年にはWRXの生産台数も大幅に削減された。
これらの要因が重なり、2025年のスバル販売は大きく落ち込んだ。しかし2026年に入って、WRXの廉価版モデルが再導入されるなどの施策により、販売が回復基調に転じつつある。2024年から2025年にかけての販売動向を振り返る。
2024年から2025年にかけての販売動向
2026年の米国販売データ(4月時点)では、スバルが新たに投入したEV「トレイルシーカー」と「アンチャーテッド」の2車種が加わったため、2025年と比較してデータ期間が長くなっている。ポートフォリオが比較的小規模なため、全体像を把握しやすいのが特徴だ。
WRXの2026年累計販売台数は、2025年の低迷期と比較しても依然として減少傾向にあるものの、4月には反転の兆しが見られた。2025年4月には前年比で約60%減だった販売台数が、2026年4月には逆に50%以上増加した。完全な回復とはいえないが、明確な改善傾向が見て取れる。
一方のアウトバックは、2025年のデータから旧型モデルの生産縮小の兆しが見られた。2025年4月時点の累計販売台数は前年比6.4%増だったが、4月単月では12%以上の減少を記録した。2024年と比較して2026年の販売台数は約28%減となっているが、その減少幅は大幅に縮小している。2026年の第1四半期におけるアウトバックの月平均販売台数は9,000台だったが、仮に月平均10,500台を維持できれば、年間で約12,000台の販売増加が見込める。2024年と同水準の販売台数を達成するには、年間を通して月平均16,400台以上の販売が必要となるが、現実的には難しいとみられる。
その一方で、フォレスターは2025年および2024年と比較して大幅な販売増が見込まれており、スバルの業績回復を後押しする存在となっている。
今後の見通しと課題
スバルの業績回復には、新型EVの投入が追い風となる見込みだ。2026年には「トレイルシーカー」と「アンチャーテッド」の2車種が新たに加わり、販売ポートフォリオの拡充が図られている。これらの新型車が市場でどのような反響を得るかが、今後の業績を左右する重要な要因となるだろう。
一方で、在庫不足や悪天候といった外部要因の影響も依然として残っている。これらの課題を克服し、安定した生産体制を確立することが、スバルにとっての次のステップとなる。
スバルの業績回復の兆しは見えつつあるが、その行方には依然として不確定要素が多い。今後数カ月の販売動向に注目が集まる。