ディーラー整備のシェア奪われる、背景に価格高騰
ディーラーの整備部門が、急速な価格引き上げにより顧客を失いつつある。新車販売の利益率が低下する中、整備サービスは安定した収益源とされてきたが、その地位が揺らいでいる。
クイックルブや独立整備業者が台頭
調査会社デュッカー・カーライルの最新レポートによると、ディーラーの整備価格が他業態に比べて大幅に上昇。その結果、顧客はクイックルブやタイヤ専門店、独立整備業者へと流れているという。
特に、オイル交換などのルーチン整備では、価格と利便性が重視され、ディーラーの高額なサービスは敬遠される傾向にある。待合室のエスプレッソマシンよりも、リーズナブルな価格が顧客の心を掴んでいる。
EV普及も影響せず、需要は根強く
米国ではEVの普及が進むが、それでも多くの車両が従来のエンジンを搭載しており、整備需要は依然として高い。そんな中、ディーラーの価格戦略が顧客離れを加速させている。
「クイックルブこそが、ディーラーにとって最大の脅威だ」
デュッカー・カーライルのネイト・チェネンコ氏はこう指摘する。同社のデータによると、2025年にはディーラーの整備収益が前年比で減少した一方で、クイックルブ業者は業績を向上させた。
シェア奪われるディーラー、取引件数も減少
2025年1月から2026年1月までの期間で、独立整備業者、タイヤ専門店、クイックルブは市場シェアを拡大。一方で、ディーラーはシェアを失い、取引件数の減少も業界全体よりも深刻だった。
新車販売の利益率は薄く、整備サービスや保証作業が収益を支えてきたが、顧客が離れればその基盤も揺らぐ。ディーラーにとって、価格戦略の見直しは避けられない課題となっている。
無償整備も顧客を引き留められず
多くの自動車メーカーが、新車購入から一定期間の無償整備を提供している。しかし、チェネンコ氏によると、その恩恵を受ける2年未満の車両でも、顧客はディーラーへ戻ることが少なくなっているという。
「ほぼすべての0~2年落ちの車両が、メーカーによる無償整備の対象だ。それでも顧客を引き留められていない」と同氏は語る。
将来はEV時代、業態の優位性が逆転する可能性も
今後10~15年でEVが主流になれば、オイル交換の需要は減少する。その場合、クイックルブ業者が顧客獲得に苦戦する一方、タイヤ専門店や正規ディーラーが優位に立つ可能性がある。
ディーラーは価格戦略の見直しを迫られているが、業界全体の構造変化も視野に入れる必要がある。