フロリダ州の移民収容所「アリゲーター・アルカトラズ」が連邦環境法に違反しているとして閉鎖を命じられたが、米国控訴裁判所がこれを覆し、施設の運営を継続することを認めた。
同施設は昨年、連邦政府の要請によりフロリダ州知事ロン・デサンティス政権下でエバーグレーズに建設された。しかし、蚊の大量発生、浸水、医療不備、食事の質の低さ、水不足などの問題が指摘されてきた。先月には米上院議員2名が「ボックス」と呼ばれる拘束方法(拘束具で縛られた状態で直射日光下に長時間放置)を含む虐待疑惑の調査を開始した。
また先週には、弁護士が施設内の抗議デモ参加者に対し警備員が暴行や催涙スプレーを使用したと主張。その数日前には、弁護士へのアクセス拡大を命じる連邦判事の命令が出ていた。
環境団体が訴訟、エバーグレーズ保護を主張
環境団体は過去1年にわたり、エバーグレーズ保護を理由にアリゲーター・アルカトラズの閉鎖を求めてきた。同施設はビッグサイプレス国立保護区に隣接する未使用飛行場跡地に建設されており、環境影響評価や公聴会なしで建設が進められたと主張。交通量増加によるフロリダパンサーの交通事故リスクや、光害によるコウモリの採餌阻害など、生態系への悪影響が懸念されている。
「アリゲーター・アルカトラズは納税者の負担となる無駄遣いの歴史であり、エバーグレーズへの重大な侵害だ」とフロリダ州司法長官ジェームズ・ウトマイヤーは昨年6月にソーシャルメディアで発言した。
州政府と連邦政府の法廷論争
環境団体は、国家環境政策法(NEPA)に基づき、連邦・州当局を相手取って訴訟を起こした。しかし州政府側は、NEPAが連邦機関にのみ適用される法律であり、同施設は州が運営・資金提供を行っていると反論。少なくとも3億9000万ドルが投じられていると主張した。
8月にはマイアミの連邦判事が、同施設が「連邦移民執行の目的のみで運営されている」と認定し、60日以内の閉鎖を命じた。しかしフロリダ州は控訴し、米国第11巡回区控訴裁判所がこれを差し止め、運営継続を認めた。