マッチグループ(Tinder、Hingeの親会社)は現地時間5月12日、LGBTQ向けクルージングプラットフォーム「Sniffies(スニフィーズ)」に1億ドルを出資すると発表した。将来的な完全買収オプションも付帯しており、同社のポートフォリオ拡大を目指す。

Sniffiesは2018年に設立され、現在300万人の月間アクティブユーザーを抱えるWebベースのプラットフォーム。ユーザーは近隣の「クルーザー」を地図上で確認し、メッセージを送信できる。2025年3月にはAppleと提携しiOSアプリをリリースしたが、わずか2か月で「コンテンツ規制」を理由に匿名ログイン機能が削除された。

創業者が運営を継続、サービスの独立性を主張

Sniffiesの創業者兼CEO、ブレイク・ギャラガー氏はInstagramで「マッチグループはSniffiesの独自性を理解してくれていた。このパートナーシップはサービスの再定義ではなく、支援を目的としている」とコメント。しかし、一部のユーザーからは投資や買収の可能性に対する懸念が寄せられた。

プラットフォームの特徴と課題

Sniffiesは「後ろめたさのないクルージングプラットフォーム」を自認しており、メッセージ数は1日2000万件に達する。一方で、ユーザー登録時にメールアドレスが必須ではなく、生年月日のみでも利用できる仕様がプライバシー面で議論を呼んでいる。

マッチグループのLGBTQ戦略

今回の投資は、昨年に女性向けアプリ「Her」を買収したことと並び、LGBTQ層への注力を示す動き。一方、LGBTQ向けアプリのリーダー格であるGrindrは、2025年の月間アクティブユーザー数が1500万人(前年比5%増)、有料ユーザー数は126万人(同17%増)に達し、年間売上高は3億6600万ドル(同26%増)を記録した。Grindrは「世界のゲイ・コミュニティのハブ」を目指し、ED治療薬やダイエット薬の遠隔医療、マドンナとのアルバムプロモーションなど、サービスの多様化を進めている。

ユーザーの反応と今後の展望

Sniffiesの投資発表に対し、ユーザーからは「投資家を取り込むためにサービスの本質が変わるのでは」との懸念が投稿されている。ギャラガー氏は「Sniffiesは常に変わらぬ存在であり続ける」と強調したが、プライバシーやサービスの独立性に関する議論は今後も続く見通しだ。