オーストラリアの自動車市場で中国メーカーの存在感が急速に高まる中、ジーリーは現地法人の新CEOにアレックス・グー氏を起用し、オーストラリア市場での攻勢を強めている。グー氏は「ジーリーを中国発のトヨタのようなブランドに育てたい」と語り、同社の戦略的な位置づけを明確にした。

ジーリーは2025年に世界で410万台以上のガソリン車、ハイブリッド車、EVを販売し、グー氏は前職のミドルエスト地域で年間販売台数を3,000台から50,000台に拡大させた実績を持つ。オーストラリアでは現在、年間2,821台の販売にとどまるが、BYDの17,541台と比較すると大きな差がある。しかし、ジーリーはオーストラリア市場向けに新たなモデルを投入する計画だ。

ジーリーのブランドポートフォリオとオーストラリア戦略

ジーリーは複数のサブブランドを展開しており、オーストラリア市場では以下のラインアップを強化する方針だ。

  • メインストリームブランド(ジーリー):競争力のあるSUVやクロスオーバーを展開。現在オーストラリアで販売中のEX5 EVとStarray PHEVに加え、新モデルを投入予定。
  • ラーダー・オート(Radar Auto / Riddara):電気ピックアップトラックブランド。オーストラリアの「UTE」市場に参入し、トラック愛好家からの注目を集める。
  • プレミアムセグメント
    • ジークル(Zeekr):高級EVブランド
    • リンク・アンド・コー(Lynk & Co.):テクノロジーとボルボとのシナジーを活かしたプレミアムブランド
  • その他グループブランド:ボルボ、ポルシェスター、スマート、ロータス、マレーシアのプロトンを傘下に持つ。

オーストラリア市場への本格参入

オーストラリア市場でジーリーが目指すのは、単なる中国ブランドの一つではなく、トヨタのような信頼性と幅広いラインアップを持つブランドへの成長だ。グー氏は「オーストラリアの消費者が本当に求める車を提供する」と述べ、現地のニーズに合わせたモデル展開を強調した。

具体的には、以下の新モデルをオーストラリア市場に投入する計画だ。

  • デュアルキャブピックアップトラック:オーストラリアで人気の高い「UTE」市場向け
  • 7人乗りSUV:ファミリー層の需要を狙う
  • ラダーフレームSUV:本格的なオフロード性能を提供
  • フルサイズセダン:幅広い顧客層に対応

また、2026年までにオーストラリアで発売される予定のEX2(サブAUD3万ドル以下)や、3列シートPHEVのギャラクシークルーザー(デンツァB8と競合)もラインアップに加わる見込みだ。

競争激化するオーストラリアの中国車市場

オーストラリアの中国車市場は、BYD、チェリー、MGなどの競合がひしめく激戦区だ。ジーリーは2025年に中国市場で最も売れた電気自動車「EX2」をオーストラリアに投入し、価格競争力を武器にシェア拡大を図る。しかし、現時点では販売台数でBYDに大きく後れを取っているのが現状だ。

ジーリーのオーストラリア市場における成功の鍵は、オーストラリアの消費者に受け入れられるモデルと価格設定にある。グー氏は「オーストラリア市場でトップセールスの中国ブランドとなる」という目標を掲げ、積極的な攻勢を続ける構えだ。

出典: CarScoops