米カリフォルニア州東部地区連邦地裁のTroy Nunley判事は4月19日、Nexstar Media GroupとTegnaの62億ドル規模の合併を差し止める仮差止命令を発令した。これにより、両社は合併を完了させたにもかかわらず、引き続き別々の運営を余儀なくされることとなった。

判決のポイント:Nunley判事は、合併がDirecTVなどの全国規模の有料テレビ事業者に消費者向け価格の引き上げを強いる可能性があり、回復不能な損害をもたらすとの見解を示した。また、複数の市場における競争の低下を招く可能性が高いとの原告側の主張も支持した。

背景と経緯

Nexstarは2023年、Tegnaを62億ドルで買収する合意を発表。合併により259以上の放送局を保有し、米国世帯の80%以上に到達する巨大放送グループが誕生する計画だった。しかし、連邦通信委員会(FCC)は、地元放送局の所有上限(米国世帯の39%まで)を超えるとして、この合併を承認するために規則の適用除外を認めた。このFCCの判断をめぐっては、議会が上限を法律で定めた以上、FCCに独自の権限で緩和する権限はないとの議論が巻き起こっていた。

3月には、8つの州とDirecTVが合併阻止を求めて提訴。彼らは連邦レベルの承認を待たずに事前に訴訟を起こし、雇用への悪影響や地元テレビ市場の寡占化を懸念した。翌日には司法省が反トラスト法の観点から早期に合併を承認し、FCCのメディア局もTegnaの放送免許移転を公聴会なしで承認。Nexstarは同日、合併を完了させた。しかし、消費者団体やNewsmax、DirecTVは緊急請願を提出し、FCCに合併上限の緩和や免許移転の承認に法的根拠がないと主張していた。

今後の展開

仮差止命令は4月21日午後5時(PT)に発効し、それまで有効だった一時的差止命令に代わる。命令発効中は、NexstarとTegnaによる放送局の統合作業が禁止される。また、NexstarはTegnaを独立した事業体として運営し続けることを義務付けられる。

Nexstarは判決を不服として控訴する方針を表明している。

出典: Axios