米最高裁、反 abortion 施設への捜査を制限
米国最高裁判所は6月、ニュージャージー州が反 abortion クライシス・プレグナシー・センター(CPC)に対して行った捜査が、憲法修正第1条(表現の自由)に違反するとの判決を下した。9人の裁判官全員一致の判断で、当時の司法長官マシュー・プラトキンがFirst Choice Women’s Resource Centers(ニュージャージー州北東部に展開する反 abortion 施設チェーン)に対して行った寄付者情報の提出要求は、同団体の「結社の自由」を侵害すると認定された。
判決の背景と意義
判決文の中で、ニール・ゴーサッチ判事は「個人の情報開示要求は、たとえ一般公開を目的としない場合でも、結社の自由を萎縮させる」と指摘した。さらに、1950年代にアラバマ州がNAACPに対してメンバーの氏名・住所の提出を求めた歴史的事件との類似性を示し、最高裁は当時NAACPの勝利を支持していたことを引用した。
「結社の自由は、政治的・社会的・宗教的少数派にとって特に重要な権利だ。この自由が奪われれば、反体制的な表現は抑圧され、社会全体が貧しくなる」
— ニール・ゴーサッチ判事
CPC業界にとっての影響
この判決は、反 abortion 施設に対する州の捜査をさらに困難にするものであり、CPC業界にとって2度目の大きな勝利となった。2018年には、カリフォルニア州の法律(妊娠センターに州の家族計画サービス、中絶を含む情報提供を義務付けるもの)を違憲とする判決が下されている。
CPCは、妊娠中絶を思いとどまらせることを目的とした信仰に基づく団体で、無料の妊娠検査や超音波検査、ベビー用品の提供などを通じて顧客を獲得している。しかし、その活動には誤情報や欺瞞的手法が用いられていることが繰り返し指摘されている。
First Choice の主張と今後の展開
First Choice Women’s Resource Centersは1985年の設立以来、ニュージャージー州で3万6千人以上のクライアントにサービスを提供してきた。同団体は、寄付者向けと一般向けでウェブサイトを使い分け、それぞれのターゲットに合わせた反 abortion メッセージを発信していた。
今回の争点は、州機関による捜査命令に対し、First Choiceが直接連邦裁判所で争うことができるかどうかという点にあった。ニュージャージー州は、通常の手続きとしてまず州裁判所で救済を求め、必要に応じて連邦裁判所に上訴すべきだと主張していた。しかし、First Choiceを代理する保守系法律団体「Alliance Defending Freedom(ADF)」は、当時の司法長官が「宗教的発言や反 abortion の立場に基づいて同団体を標的にした」と非難し、直ちに連邦裁判所で救済を求める正当性を主張した。
最高裁はADFの主張を認め、First Choiceが連邦裁判所で直接争うことを認めた。これにより、反 abortion 団体は州の捜査からより強力な保護を受けることが可能となった。
社会的影響と今後の課題
この判決は、表現の自由と公的な監視のバランスに関する議論を再燃させるものとなった。専門家は、今後州レベルでの規制がさらに困難になる可能性を指摘している。一方で、反 abortion 団体の活動がより活発化することで、妊娠中絶をめぐる社会的分断がさらに深まることも懸念されている。