米国第8巡回区控訴裁判所は12日、アイオワ州の「監視目的無断撮影禁止法」を支持する判決を下した。同法は、無断侵入者が監視目的でカメラや電子機器を使用することを重罪として処罰する規定を含む。
判決は、動物保護団体「PETA」と「Iowa Citizens for Community Improvement(ICCI)」による提訴を受けたもの。両団体は、同法が表現の自由を不当に制限すると主張していた。ICCIは、メンバーが政治的・企業施設で無断侵入を記録し、活動をアピールする目的で同法に違反する行為を行っていた。
アイオワ州法の概要
アイオワ州の一般不法侵入法(§716.7)では、所有者から立ち退きを求められた後も無断で立ち入る行為を「単純軽罪」とし、罰金105~855ドルまたは30日以下の拘禁刑を科す。一方、2021年に制定された監視目的無断撮影禁止法(§727.8A)は、無断侵入時にカメラや電子機器を使用した場合、初犯で「重罪(重罪級軽罪)」、再犯で「D級重罪」に分類し、より厳罰化した。
- 重罪級軽罪:罰金855~8,540ドル、2年以下の拘禁
- D級重罪:罰金1,025~10,245ドル、5年以下の拘禁
憲法上の争点
ICCIは、同法がメンバーの表現の自由を「事実上抑圧」していると主張。メンバーは、無断侵入行為を記録し公表することで社会的関心を喚起する目的で活動していたが、同法の厳罰化により活動が萎縮していると訴えた。
しかし裁判所は、表現の自由が関与する可能性を認めつつも、同法は「中間審査基準」の下で合憲と判断。過去の判例(Lloyd Corp. v. Tanner、Hudgens v. NLRB)を引用し、私有地における無断での表現活動には憲法上の保護がないとの立場を示した。
「最高裁は、私有地で非差別的に使用される私有地において、無断侵入者に一般的な言論の自由を行使する権利を認めていない」
— Lloyd Corp. v. Tanner(1972年)
今後の影響
同判決は、監視目的の無断撮影を重罰化する州法の合憲性を初めて確認したもの。動物保護団体やジャーナリスト、活動家などが私有地で無断撮影を行う際の法的リスクが明確化された。一方で、表現の自由との関係については今後も議論が続く見通しだ。