米連邦地裁がトランプ前政権による再生可能エネルギー(太陽光・風力)の連邦許認可を遅延させる一連の措置を差し止める判決を下した。米連邦地裁のデニス・キャスパー判事は11月12日、再生可能エネルギー関連団体の要請を認め、同政権が実施した5つの主要な許認可阻止策を無効化する暫定差し止め命令を発令した。

判決文によると、キャスパー判事は、これらの措置が行政手続法(APA)に違反する可能性が高いと判断。73ページにわたる判決文で、APAに基づく訴えが「実質的に成功する見込みが高い」と明記した。

差し止められた5つの主要措置

  • 内務長官の承認義務化:内務省が発行する主要な許認可について、内務長官(当時はダグ・ブルグム氏)の承認を義務付ける内部メモ
  • 「エネルギー密度」重視の許認可方針:内務省と陸軍工兵隊が「エネルギー密度の高い」プロジェクトを優先し、化石燃料関連事業に有利な運用を行う指示
  • 種データベースへのアクセス制限:米魚類野生生物局の種データベースへのアクセスを禁止する措置
  • 沖合風力リースに対する法的見解:沖合風力発電のリースに関する内務省の法的見解
  • 化石燃料優遇策:連邦エネルギー法に抵触する可能性のある、化石燃料関連プロジェクトの優先的な許認可方針

APA違反の根拠

キャスパー判事は、これらの措置がAPAに違反する具体的な理由を列挙。例えば、内務長官の承認義務化について「内務省の従来の方針からの大きな逸脱」であり、「新政策の実施に必要な以上の詳細な正当化が求められる」と指摘した。また、「エネルギー密度」重視の許認可方針については、連邦エネルギー法に「抵触する」と判断し、APA違反の可能性が高いとした。

今後の展開と最高裁の動向

今後の展開については不透明な状況が続く。トランプ前政権側が最高裁に対し、この暫定差し止め命令の取り消しを求める可能性も指摘されているが、キャスパー判事は判決文で「この差し止め命令の範囲は、最高裁が全国的な差し止め命令に課す制限に合致している」と明記。最高裁が同様の判断を下す可能性を示唆した。