米国時間5月14日、カリフォルニア州中部地区連邦地裁に提訴された訴状によると、先住民女優のQ’orianka Kilcher氏(当時14歳)は、自身の顔が映画「アバター」シリーズに登場するキャラクター「ネイティリ」のモデルとなったと主張している。

Kilcher氏は、自身の顔が1990年代のロサンゼルス・タイムズの写真から無断転載され、初期のキャラクター設計に使用されたと主張。この写真は、当時14歳だったKilcher氏が主演した映画「The New World」の撮影中に撮影されたもので、後に「アバター」の制作チームが参考資料として使用したという。

訴状によれば、Kilcher氏の顔は、スケッチ、彫刻、デジタルモデルなどの形で制作プロセス全体にわたって複製され、最終的に映画本編、ポスター、マーケティング資料、続編、関連グッズなどに使用されたとされる。Kilcher氏は、自身の肖像権を無断で使用されたとして、ジェームズ・キャメロン氏、Lightstorm Entertainmentウォルト・ディズニー社20th Century StudiosIndustrial Light & MagicWeta Digitalなどを提訴した。

「インスピレーションではなく、無断転載」

Kilcher氏の代理人であるArnold P. Peter弁護士は声明で、「キャメロン氏が行ったのはインスピレーションではなく、無断転載でした。14歳の先住民少女の独特な顔の特徴を工業的な生産プロセスに組み込み、許可を得ることなく数十億ドルの利益を上げたのです。これは映画制作ではなく、窃盗です」と述べた。

2010年の出会いが契機に

Kilcher氏とキャメロン氏は2010年にチャリティーイベントで顔を合わせた。その後、キャメロン氏はKilcher氏を自宅に招き、手書きのメモとともにネイティリのスケッチを贈ったという。メモには「あなたの美しさがネイティリのインスピレーションになった。残念ながらあなたは別の映画に出演していた。次回は一緒に」と書かれていた。

Kilcher氏は、このスケッチを受け取った際、「個人的なサインか、せいぜいキャスティングや活動に関連したゆるいインスピレーションに過ぎない」と考えていたと述べた。また、「アバター」のメッセージに共感した一人だったが、自身の顔が制作プロセスに無断で使用されていた事実を知ったのは昨年、キャメロン氏のインタビュー動画が再び注目を集めた際だったという。

同インタビューでキャメロン氏はネイティリのデザインについて語り、「実際の参考資料はロサンゼルス・タイムズの写真でした。当時10代の女優、Q’orianka Kilcherさんの顔です。特に下半分が特徴的でした」と発言していた。

法的主張と今後の展開

Kilcher氏は、カリフォルニア州のディープフェイク関連法違反を含む、肖像権の無断使用、プライバシーの侵害、名誉毀損、過失、経済的利益の妨害などの主張を行っている。同氏の代理人は、Kilcher氏の顔が制作プロセス全体で無断複製され、最終的に商業利用されたと主張している。

現在のところ、ディズニーやキャメロン氏の側からの公式なコメントは発表されていない。今後、法廷での争いが予想される。

出典: The Wrap