フェラーリ初のEV「ルーチェ」、欧州価格は55万ユーロから
フェラーリが2025年に発売を予定する初のEV「ルーチェ」について、欧州における価格が約55万ユーロ(約64万5000ドル)から始まる可能性が報じられた。同社のSUV「プルロッサングエ」の欧州価格(約40万ユーロ)を大幅に上回るだけでなく、歴代のフェラーリ車と比較しても最も高価な量産モデルの一つとなる可能性がある。
EV市場の競争激化と価格設定のリスク
この価格設定は、米国におけるEV販売の減速や中国メーカーからの低価格で高出力のスーパーカー級EVの台頭といった市場環境を考慮すると、販売戦略としては大きな賭けとなる。Bloombergによると、最終価格は55万ユーロを基準に10%の上下調整が可能とされており、849テスタロッサや12シリンダーをも上回る可能性がある。
プルロッサングエとの比較で見る価格の矛盾
フェラーリの顧客層は伝統的にV12エンジンを搭載したモデルに魅力を感じており、重いバッテリーとモーターを搭載したルーチェに対する需要は不透明だ。例えば、V12エンジンを搭載した4シーターモデルのプルロッサングエは、ルーチェと同等の実用性を持ちながらも価格はプルロッサングエの方が低い。このため、一部の顧客はエンジン音と実用性のバランスを重視する可能性がある。
ルーチェのスペックとパフォーマンス
ルーチェの最終的なスペックは発表まで明らかにされていないが、現時点で判明している情報によると、4基の電気モーターが合計986馬力以上を発生し、122kWhの大容量バッテリーを搭載する。また、最大350kWの急速充電に対応し、航続距離は329マイル(530km)以上を確保する見込みだ。
フェラーリのEV戦略と今後の展望
ルーチェの価格設定は、フェラーリがEV市場に参入する上で直面する課題を象徴している。同社の顧客層は高価格帯のモデルに対する抵抗が少ないとされるが、それでも64万5000ドルを超える価格は、ロールスロイス・スペクター(米国価格40万ドル以下)を上回る驚愕の設定額となる。今後の発表に注目が集まる。
「ルーチェの価格は、フェラーリのEVに対する本気度を示すものだ。しかし、その価格帯が顧客の購買意欲を損なわないかどうかは、今後の販売動向にかかっている。」
— 自動車業界アナリスト