米国で、フォルクスワーゲン(VW)のティグアンに搭載されたシートヒーターが原因で、乗客が2度の火傷を負ったとして、原告が損害賠償を求める訴訟が行われている。この事件は、今後裁判に進む見通しとなった。

シートヒーターの最高設定で30分使用、その後も1時間稼働

原告のエミリー・ラプラード(Emily LaPrade)氏は、2023年9月3日、夫が所有する2023年式ティグアンの助手席に乗車していた。同氏によると、シートヒーターは最高設定(3段階中)で約20~30分間稼働した後、中設定に切り替えられ、さらに1時間使用されたという。

帰宅後、ラプラード氏はシートヒーターによる火傷の疑いがある水ぶくれを発見した。同氏は2014年の自動車事故以来、腰から下が麻痺しており、T10脊椎から腰にかけてのみ「ピリピリ感」を感じる状態だった。

VWは警告文の記載を主張、原告は取扱説明書を未読

ラプラード氏は、VWがシートヒーターの危険性について十分な警告を怠ったと主張したが、裁判所はこれを退けた。ティグアンの取扱説明書には、シートヒーターを「痛覚や温度感覚が鈍い人が使用する場合は作動させないこと」と明記されている。さらに、痛覚や温度感覚が鈍い人がシートヒーターを使用すると、「背中、お尻、脚に火傷を負う可能性がある」との警告も記載されている。ラプラード氏と夫は、取扱説明書を読んでいなかったと認めている。

シートヒーターの設計不備を主張、専門家が「過熱の可能性」を指摘

訴訟では、シートヒーターの設計に欠陥があり、過剰に加熱される仕様になっていたとの主張も行われている。裁判所は、専門家証人の意見を踏まえ、この主張を審理に進めることを決定した。同専門家は、システムが過剰に加熱される可能性があると指摘した。

出典: CarScoops